分析手法 | INFOHUB-media https://dev.infohub.jp/media 国内・海外のビジネス・テクノロジーニュース・事例をお届け Thu, 26 Nov 2020 05:34:12 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.12 https://dev-wp.infohub.jp/wp-content/uploads/2020/10/cropped-icon_logoA_2-32x32.png 分析手法 | INFOHUB-media https://dev.infohub.jp/media 32 32 4Cとは?マーケティングは4Pから進化している-事例や比較で解説 https://dev.infohub.jp/media/2020/08/11/2918/ https://dev.infohub.jp/media/2020/08/11/2918/#respond Mon, 10 Aug 2020 23:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=2918 マーケティングに携わっている方は、マーケティングミックスを検討する際に活用するフレームワー...

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マーケティングに携わっている方は、マーケティングミックスを検討する際に活用するフレームワークとして4C分析や4P分析を聞いたことがあるかもしれません。現在マーケティングにおいてより顧客中心で考えることが重要になっている中で、4C分析の考え方は欠かせなくなってきています。本稿では、4C分析とはなにか、4P分析との違いなどをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

マーケティング4Cとは?

マーケティング・ミックスを検討するためのフレームワークの1つです。4Cは顧客視点のフレームワークであり、Consumer wants and needs(顧客価値)、Cost (コスト)、Convinece to buy(購入のしやすさ)、Communication(コミュニケーション)の頭文字からきています。

Consumer wants and needs:顧客価値(ニーズとウォンツ)

顧客価値とは、プロダクトやサービスによって顧客がどのような価値を得られるのかということです。

注意すべきなのは、定義すべき価値は、プロダクト自体の価値ではなく、プロダクトによって得られる感情や結果であるということです。

例えば、シャベルを欲しがっている顧客の場合、シャベル自体が欲しいのではなく、それを使って掘ることができる「穴」に価値があるという視点を持ちましょう。そのため、「穴」が手に入るのであれば穴掘り機やドリルなど、他の物でもニーズに答えられるかもしれません。

このように顧客が本当に求めているものとは何かをしっかり見極めることが重要です。

Cost:コスト

コストは、顧客がプロダクトやサービスに対してどれだけ費用や時間を負担するのかです。例えば、プロダクトだけの価格だけでなく、お店に行くまでの移動時間、ECで購入する場合は送付料などを含めて、顧客がどれだけのコストを負担するのかを検討します。

また、コストを検討する際、顧客の満足度を意識することも重要です。例えば、Appleの場合はブランドに価値があるため、購入するために高額を支払っても顧客は満足します。

一方、PB(プライベートブランド)はプロダクトへの価値を求めていないため余計な費用を支払いたいと思わない可能性があります。顧客がどの程度のコストなら満足するのかを考えることも重要です。

Convenience to buy:購入のしやすさ

購入のしやすさとは、顧客が商品を手に入れる利便性を意識する視点です。24時間営業やECでの購入など購入場所や流通場所だけでなく、時間も含めた購入のしやすさを意識することが重要です。

communication:コミュニケーション

コミュニケーションとは、顧客に対して企業がどのようにメッセージを伝えるのか、顧客との関係性を築くのかを検討します。

従来のマス・マーケテイングのような企業から一方的なコミュニケーションだけではなく、SNSなどを含めた顧客との双方向の会話やアフターサービスなど顧客のLTVを意識した接点が重要になります。

4Cと4Pの違いは「顧客視点」か「企業視点」か

4p分析と4c分析は、企業視点と顧客視点で構成されている

マーケティング・ミックスの代表的なフレームワークに4P分析というものもあります。4P分析と4C分析では、検討しなければいけないマーケティングの要素は変わりません。

大きな違いは、視点の違いです。上述したように、4C分析は「顧客視点」で検討するのに対して、4P分析は企業がコントロールできる要素で構成されており、「企業視点」からの分析を担っています。具体的な比較を下記でご紹介します。

また、4P分析に関してこちらで詳しく紹介しています。ぜひご覧になってください。

マーケティングを新たに担当することになった方は、一度は4P分析をお聞きになったことがあるかもしれません。なんとなく概念としては理解できるけど、いつ、どのように活用すればいいのかわからないという方も多いかと思います。本稿では4Pとはの基本からよく間違えられる4C分析との違い、実際に活用するときのポイントをご紹介します。是非参考にしてください。4P分析とは、マーケティング・ミックスのフレームワーク4P分析は、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。下記の4つの...
マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説 - INFOHUB-media
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4Cと4Pの比較表

4Pは企業目線なのに対して、4Cは顧客目線で構成されています

4C分析はいつ活用すればいいのか

マーケティング戦略は繰り返し調整されるものでなければいけない

それでは具体的なマーケティング戦略の中で4C分析をどのように活用すればいいのかご紹介します。4C分析は、マーケティング・プロセスの中で、マーケティング・ミックスを検討する際に活用します。従来、マーケティング・ミックスは4P分析が主流でしたが、ご紹介してきたように環境の変化に伴い顧客視点が重要になってきており、4C分析が主流になってきています。

マーケティング・プロセスに関しては下記記事をご参考にしてください。

マーケティング施策は戦略的なプロセスによって生み出されます。正しいマーケティングプロセスを行うことで「自社の課題をクリア」にし「その課題を乗り越えるマーケティング施策」ができます。現在、新型コロナウイルスの影響でビジネスの在り方が変化しています。変化の時代だからこそ、BtoBをはじめとした企業はオンラインを活用したセールスなどマーケティングプロセスの見直しをしています。本稿ではマーケティング初心者向けにマーケティングプロセスを紹介しています。本稿を読むことで「正しい戦略的なマーケティングプロセス...
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STEP1 :市場分析

STEP1は市場分析です。市場分析とは、自社事業の参入・成長機会を発見する役割です。市場にすでに参入している競合のことや顧客のボリューム、法律や経済などの外部要因などを分析することで自社事業が参入する市場を理解し、マーケティングプランを検討するための情報を揃えます。具体的には、SWOT分析、3C分析、PEST分析などのフレームワークがあります。

STEP2 :STP分析

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字からきており、市場分析を元に、どのように市場を攻略していくのかの戦略を具体化させていくステップです。

セグメンテーションでは、どの層にアプローチしていくのかを決めていくため、市場を細分化します。細分化する方法は様々ですが、年齢やライフスタイルなどで分類することが多いです。

ターゲティングは、セグメンテーションを軸に実際に狙っていく層はどこなのかを規定し、顧客像を具体化させていきます。顧客像を具体化させていくためには、グループインタビューや定量調査などの市場調査を活用することが多いです。

ポジショニングは、具体的に設定したターゲットに対して、自社のプロダクトやサービスがどのような価値を提供するのかを決めます。その際、競合と「何が違うのか」、「どの点が優れているのか」など差別化を意識しましょう。

STEP3 :マーケティング・ミックス(4P・4C)

STP分析で狙うターゲット、自社のポジショニングが整理できたら、どのように顧客にアプローチするのかを検討します。それがマーケティング・ミックスです。

ここで、4C分析や4P分析が活用できます。4C分析のそれぞれの視点を軸に、プロダクトやサービスの価値を高められる組み合わせを検討します。マーケティング・ミックスを検討する上での注意点は、事前に決めたSTP分析などの分析結果と、4Cの各要素で矛盾がないかを意識することです。

マーケティング・ミックスに関しては下記ページでも詳しく紹介していますので、興味ある方は御覧ください。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
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4C分析を活用する際のコツ

4C分析を活用する際のポイントは、マーケティングのもう1つの4Cを意識することです。ここでの4Cとは、Clarity(簡潔さ)、Consistency(一貫性)、Competitiveness(競争力)、Credibility(信頼)を意味します。

また、テンプレートを活用し、自社と競合の4Cを比較することでどの点を強化出来るのか検討することも必要でしょう。

4c分析のテンプレート

下記で分析のコツについてご紹介します。

Clarity:シンプルで明快か

マーケティング・ミックスで設定した内容がシンプルで明快か、顧客に伝わりやすい内容になっているのかを確認します。もし、サービス内容が複雑な場合は、効果的に伝えられる方法の検討が必要です。

Consistency:戦略との一貫性があるか

4Cの要素間やSTP分析の戦略との矛盾があることにより、こちらが伝えたいメッセージが伝わらない可能性が高くなります。コミュニケーションだけでなく、流通、コストすべてが顧客とのタッチポイントです。すべてのタッチポイントにおいて、同一のブランドとして一貫性があるのか確認しましょう。

Competitiveness:競争力はあるか

STP分析において、戦略全体で競合との差別化を検討しました。しかし、4C分析それぞれの要素でも競合と比較して勝っているポイントがあるのか、競争力があるのかなどを確認しましょう。その時に活用できるのが、上述でもご紹介した4C分析のテンプレートです。

Credibility:信頼性はあるか

コミュニケーションなど顧客とのタッチポイントは、常に顧客から信頼されるものでなければ、企業の独りよがりのものになってしまいます。また、顧客からの信頼度が高いと顧客の購入意向が高まったり、離脱が防げることなど、損失コストも抑えられることにも繋がります。

4Cと4Pの両方で分析に厚みを持たせる

4C分析、4P分析どちらが優れているのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、4C分析、4P分析どちらが優れているというものではありません。

マーケティングを行う上で、常に重要なのは俯瞰して様々な視点から検証することです。4C分析、4P分析それぞれの特徴を理解し、それぞれの視点を行き来することでより盤石な戦略を検討できます。

マーケティング4C分析のまとめ

いかがでしたでしょうか。マーケティングは従来の売る側の視点だけでなく、顧客視点を持つことがどの企業においても重要になってきています。そのため、マーケティング・ミックスにおいても4P分析より4C分析が用いられる傾向があります。

しかし、4P分析、4C分析のどちらが優れているわけではありません。どちらの視点も理解し、視点を行き来しながら戦略を検討することが重要です。まずは、実施している施策をテンプレートを活用して、4C分析で整理してみてはいかがでしょうか。

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3C分析とは?活用方法とマーケティング戦略に役立つSWOT・事例を紹介 https://dev.infohub.jp/media/2020/08/06/2882/ https://dev.infohub.jp/media/2020/08/06/2882/#respond Wed, 05 Aug 2020 23:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=2882 企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解するこ...

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企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。

3C分析とは?

3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。

3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor)を分析します。これら三者の戦略的三角関係(strategic triangle)の分析から、競争優位性など事業を成功させる要因(KFS)を発見できます。

3C分析により「プロダクトの質向上」や「より高い売上・利益率」「ブランド価値の向上」など、ビジネスの成功に必要となる戦略的な展望を得られます。

そのため3C分析はマーケティング戦略の根幹と言えるでしょう。

3C分析の目的は市場環境を分析すること

3C分析の目的は市場間環境の分析を通して、事業を成功させる要因を見つけることにあります。どの事業もお金や人などのリソースを投下して行います。

どのようなリソースの使い方が自社ビジネスの成功を後押ししてくれるのかを見極めるのです。

3C分析は競争上の自社・市場・競合を網羅的に分析することができます。しかし、3C分析だけでは分析結果が粗く解像度が低いため、PEST分析やSWOT分析と併用して活用されることが一般的です。

3C分析の進め方とポイント

3C分析は市場に存在する3つの因子を分析することで、市場を理解し自社が新規参入・成長する機会の発見に繋がります。そのため出来るだけ正確な情報に基づいて分析することがポイントになります。

主観的な感情などに流されず、論理的に各要素を分析しながら進めることが必要です。

Company(自社)

3C分析の目的は自社と競合を比較して、優れているや劣っている点を見つけるだけではありません。事業を成功させる要因を見つけることが目的です。分析を通じ、最終的に競合に勝つ戦略を描けば良いため、競合との比較の際、売り上げやシェアなど、全てで優れている必要はありません。

事実に基づいた堅実な分析を行い、これからのマーケティング戦略に活かしていきましょう。具体的には以下の内容を分析します。

  • 事業の売上や市場シェア
  • 製品ラインナップや販売網
  • 投資余力や資本力
  • ヒト、モノ、カネなどの保有リソース
  • 社員一人の生産性など

ポイント1:自社がどうありたいかを念頭におく

3C分析の先にどのような会社像を求めているかによって、マーケティング目標は大きく変動します。また在りたい姿がなければ戦略に一貫性が持てず、会社内での困惑に繋がり兼ねません。そのため理想像やミッション、方向性を決めておくようにしましょう。

Consumer(消費者)

消費者なしでは事業ができません。そのため顧客理解は必要不可欠なプロセスです。顧客の求めるものと会社の戦略が一致した時、実り多い結果を得ることができるでしょう。

ポイント1;顧客ニーズを把握・分割し分析をする

市場には多種多様な顧客が存在しています。そのため戦略の効率化を図るためにまずは目的別にセグメンテーションを行いましょう。

顧客が「どのような方法」で「どのような手段で製品を使用」して、それは「どのような目的(ニーズ)」があるのかを理解します。また顧客がこれから直面する課題や予測、経験したことある影響や戸惑いなど、時系列や環境の変化にも目を向けましょう。

ポイント2:地域・人口統計・チャネルごとに分析をする

次に、ニーズ別で分類した顧客を地域人口統計チャネルなどによってさらに分類します。細かく顧客を細分化することで、市場範囲を最適化でき無駄なコストの発生を防いで効率よく顧客を獲得できます。

ポイント3:市場をもう一度分割してみる

これまでのステップで顧客と顧客の獲得コストについての概要を理解できます。次は競合企業の視点から再度、市場を分類します。

競合企業がすでにアプローチしている顧客ニーズやその対象範囲などを分析することで、自社が参入した時の競争関係が見えます。また自社参入後、競合企業が参入してくるケースも考えられるため、競合企業の追随は検討が必要です。

一定期間が経過したのち、市場の変化によって初期の戦略が通用しなくなることがあります。重要である顧客が求めるものや好み、ニーズなどの再チェックを行うと良いでしょう。

Competitor(競合)

競合企業は常に市場に存在し、それを活かすかどうかは自分たち次第です。客観的事実に基づいて、論理的に競合企業の弱みを突くことがビジネスとして健全なアプローチと言えます。そのため競合企業の戦略やリソースなどを分析し、自社が成長する機会を見つけることに焦点を当てましょう。

ポイント1:ヒト・モノ・カネ・場所・時間のリソースを分析する

ビジネスはヒト・モノ・カネ・場所・時間などのリソースを投下して、投下したリソースよりも大きなリターンを得ることで成り立っています。そのため競合企業分析ではリソースへの分析が欠かせません。リソースの分析から競合企業の弱点を発見しましょう。

多くの場合、競合の正確な情報にアクセスできない場合がほとんどです。しかし顧客からのヒアリングなどから推測することが可能です。またリソース分析では結果と要因に分けて分析を行います。

結果

  • 売上や市場シェア、利益率
  • 社員の生産性や顧客単価
  • 顧客数や営業範囲など

要因

  • 競合企業が採用している戦略
  • 製造過程や営業プロセス
  • 協力企業の存在など

これらの情報から競合企業の弱点を知り、自社が参入した場合のベンチマークを設定します。これにより自社が競合の弱点を利用して成長できているか管理することができます。

ポイント2:競合の戦略を分析する

企業は戦略やビジョンに基づいて動きます。競合の戦略における「解像度」をあげることで、自社の強みを差別化するのに役立ちます。

3C分析はマーケティング戦略のためのミクロ環境分析で用いる

3C分析はマーケティング戦略をどうのように行うかを判断するために行われます。具体的なマーケティング戦略実行までのプロセスは、以下の画像の通りです。

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の修正までが重要

3C分析はPEST分析やSWOT分析と合わせて、市場機会の調査・発見のために役立てられます。ここでは環境分析を行う手順とそのポイントについてご紹介します。

ステップ1:まずはPEST分析でマクロ環境分析

PEST分析は政治(Politics)経済(Economy)社会(Society)技術(Technology)の頭文字からそう呼ばれ、マクロ環境を分析するのに有用です。より広い視点で分析し、3年後など中期的なトレンドを掴むことができます。

ステップ2:3C分析でミクロ環境分析

PEST分析にて中長期的なトレンドについて理解したら、自社・消費者・競合の3C分析をします。

具体的には自社は戦略など、どのような目的で事業をするのかを確認する程度にしておき、消費者と競合の理解に努めましょう。詳細な自社の分析はSWOT分析で行います。

またミクロ環境の分析では5フォース分析も用いることが出来ます。これは市場内で働く次の5つの力を分析することで、市場の収益性を測るものです。消費者や競合の分析と合わせて行うことで、より深く市場を理解することができます。

  • 新規参入の脅威
  • 業界内の敵対関係の強さ
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

ステップ3:3C分析の結果をSWOT分析に活用

SWOT分析は「市場と競合の分析を通じて、自社が生きる戦略」を見つけるフレームワークです。具体的には以下の表をご覧ください。

プラス要素マイナス要素
外部環境機会(Opportunity)脅威(Threat)
内部環境強み(Strength)弱み(Weakness)

これまでのPEST分析や3C分析で積み上げたファクトと自社の状況を勘案し、優れたアイデアを生み出すことで、成長する機会を見つけるのがSWOT分析です。各要素の組み合わせは次の通りです。

  • 強み×機会:強みで市場の機会を最大化する方法
  • 強み×脅威:強みで市場の脅威に対処する方法
  • 弱み×機会:弱みで市場の機会を活用する方法
  • 弱み×脅威:弱みで市場の脅威に対処する方法

3C分析の重要性

企業にとって競争は避けられないことです。しかし無駄な競争をすることはあまりおすすめできません。だからこそ3C分析で競合企業を分析し、彼らのコアの強み、マーケティング戦略、販売網、企業文化などから自社が優位になる戦略的な計画を作り出すことが必要なのです。

また3C分析では消費者と自社についても知ることができるフレームワークです。競合・消費者・自社の理解を通じて、成長を支える自社オリジナルの戦術を見つけることが望まれます。戦術の独自性の評価ははVRIOを用いることができます。

  • 経済価値(Value)
  • 希少性(Rarity)
  • 模倣困難性(Inimitability)
  • 組織(Organization)

つまり3C分析は顧客ニーズを見極め、競争の激しいレッドオーシャンを戦略的に避け、自社の強みを活かし成長していくために重要なのです。

近年では5Cが主流になりつつある

3C分析に流通などの中間顧客(Customer)や、ビジネスを取り巻く地域社会(Community)を加えた5C分析が主流になりつつあります。

その理由は、5C分析は3C分析では捉えることができなかった価値提供までのプロセスを含めることで、ビジネスモデルやバリューチェーンを明確化できるためです。これにより競合企業の利益構造や価値生成プロセスを知ることができ、自社ビジネスの機会や障害を把握できます。

Customer(流通など中間顧客)とは

Customerは自社と顧客の間に存在する流通などの中間顧客を指します。中間顧客は協力者(Collaborators)とすることもありますが、競合する中間顧客もあるためCustomerと表記します。

中間顧客は、自社事業の売れ行きに左右します。中間顧客の全体シェアや業界の位置付け、強み・弱み、協力方法などを理解し、ビジネスにプラスの影響を与えるのかなどを検討しましょう。

Community(ビジネスを取り巻く地域社会)とは

Communityとはビジネスを取り巻く社会的要因を指します。具体的には景気の変動や法律の改正、人口の増減などです。前述のPEST分析を用いることでカバーすることができます。5Cで気をつけたいポイントは地域社会です。

地域社会はビジネスに影響します。例えば路面店舗を構える場合、地域の習慣やライフスタイルなどによって売上を左右します。また地域独特の商習慣や商流なども事業に影響するでしょう。そのため自社事業に関係する地域社会についても理解すると良いでしょう。

3C分析の4つの事例

マクドナルド

マクドナルドはハンバーガー業界で不動の1位を持つファストフード店です。

低価格の商品をハイスピード提供する強みを持っています。また季節ごとに新商品を提供する商品開発力を持っており、ポケモンGOとの提携などチャレンジでおもしろい企画をする企業文化を持っています。

競合企業はファストフードチェーンであり、ロッテリアやバーガーキングなどが挙げられます。し

かし圧倒的なスピードと低価格な商品、気軽に入れる店舗という面でシェアを突き放しているため、顧客はマクドナルドを求めていることが分かります。

スターバックス

スターバックス

スターバックスはコーヒーチェーンで、喫茶店は年々減少傾向にある中、店舗数を増やしています。

一般的なコーヒーチェーン店と異なり、スターバックスはサードプレイスを提供しています。

そのため社員教育を徹底しており、最高級の豆を使った質の高いコーヒーの提供を行っています。また店内はソファや絵画、照明にこだわることで、スターバックスと言えば”くつろげる”を実現しています。

一方、競合企業であるコーヒー店はフランチャイズ形式で展開していることが多いです。そのためコーヒーの質やメニューなどにバラつきがあります。この結果、顧客はオフィスと自宅の間でコーヒーを飲むなら、スターバックスに行くという選択をしていることが分かります。

ニトリ

ニトリは1988年から増収増益を続けているインテリアストアです。

「お、ねだん以上、ニトリ」のキャッチコピーが有名で、店舗に行くと生活に必要なものが全て揃います。顧客はニトリが実現する低価格と、商品購入の手軽さからニトリを選択しています。

ニトリが低価格を実現する理由は、ほとんどの製品がプライベート商品であり、店舗までの物流も自社グループで行っています。

その結果ニトリは同じインテリア業界の良品計画と、1,500億円以上の売上差をつけて業界1位のポジションを獲得しています。

星野リゾート

星野リゾートは北海道のリゾート施設、アルファリゾート・トマムの再建などで知られているリゾート運営の達人です。

大手外資系ホテルが参入できない旅館経営で拡大しています。星野リゾートはターゲット顧客に刺さる旅館のコンセプトを打ち出し、従業員教育を徹底し無駄を省いた経営に強みがあります。

顧客はこの質の高い接客などに満足しリピートします。その結果、競合である外資系ホテルなどでは実現できない高利益率を実現し、5年で施設数が倍の80に達するほど成長している企業です。

まとめ-3C分析のポイントをおさらい

ここまで3C分析についてご紹介してきました。3C分析は自社・消費者・競合の理解から、自社の強みを生かした事業機会の発見に役立ちます。3C分析を活用し顧客が求めるプロダクトを、競争せずに提供する戦略を見つけ、ビジネスをより成長させて頂けたらと思います。

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ビジネスをする上でマーケティングは欠かせない考え方になってきています。テクノロジーの進化などに伴い、マーケティングの種類も日々増えてきています。マーケティングを担当している方もすべての種類を追うのが難しいかと思います。そこで、本稿では伝統から最新のマーケティング手法まで37の手法をご紹介したいと思います。ぜひご参考にしてください。

アウトバウンドマーケティング

アウトバウンドマーケティングとは、「外向き」という意味のとおり、プロダクトの認知などを目的とした潜在顧客に対して一方向的な情報発信を指すマーケティング手法です。例えば、テレビ広告、雑誌広告、折込チラシ、テレマーケティング、展示会などの手法があります。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、消費者に価値ある情報を提供することで消費者自ら企業の情報を見つけてもらうことで、顧客のファン化などを目指すものです。具体的な手法としては、ブログ・eBook・ホワイトペーパーやSEO対策などの手法があります。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティングは、従来型のマーケティングとは異なり、テクノロジーやインターネットの普及に伴い発展したマーケティング手法です。SEM、SNS広告、SEOなど様々な手法があります。

SEM

SEMとは、Search Engine Marketingの略であり、検索エンジンを活用したマーケティングです。検索結果での上位表示させることでサイトへの訪問数を増やことが目的で活用されます。具体的な施策としては、SEOやリスティング広告などがあります。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングやデジタルマーケティングでも重要な手法です。コンテンツマーケティングとは、潜在顧客に対して、ブログやホワイトペーパー、動画などに消費者が求める有用なコンテンツを作成することで消費者をファン化し、購入につなげる手法です。

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングとは、FacebookやInstagramなどソーシャルメディアを活用したマーケティングです。ソーシャルメディアの特徴は、顧客との双方向のコミュニケーションが取れること、特定のファン層に向けて発信できること、拡散性があるということです。そのため、商品のプロモーションではなく、ソーシャルメディアにあった形でのコンテンツ制作が重要です。

ビデオマーケティング

ビデオマーケティングとは、コンテンツマーケティングの一種であり、ビデオコンテンツを活用したマーケティング手法です。ビデオコンテンツの特徴の一つは、圧倒的情報量です。ビデオは1分間で、180万語、原稿用紙4500枚、ウェブサイト3600ページ分の情報が伝えられるといわれています。また、ビデオコンテンツは拡散性も高く、ソーシャルメディアなどとの相性がいいことも特徴の一つです。

音声マーケティング

音声マーケティングとは、Google Home やAmazon Alexaなどのスマートスピーカーに対応したマーケティング手法です。従来のSEMと考え方は似ており、特定の質問がきた時に自社のプロダクトについて回答してもらうことを狙います。

メールマーケティング

メールマーケティングとは、見込み顧客や潜在顧客に対してメールマガジンなどで有用な情報を送信することで、潜在顧客を顕在顧客にするための手法です。マーケティングオートメーションが進むことにより、顧客それぞれの状況などに合わせたパーソナライズしたメールも送れる様になってきた結果、現在再度注目されています。

カンバセーションマーケティング

カンバセーションマーケティングとは、様々なチャネルで顧客との対話を行うことで顧客とのリレーションを築くことです。手法としては、メール・チャット・対面など多数な方法があります。近年テクノロジーの進化に伴い、ライブチャットなどが増えてきております。

バズマーケティング

バズ・マーケティングとは、バイラルマーケティングの一種であり、インフルエンサーなどを活用してコンテンツを拡散させることを目的とした手法です。インフルエンサーやプラットフォームを活用して人為的に拡散させていくのが特徴です。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、特定のコミュニティーに強い影響力を持つインフルエンサーを活用して、自社商品の特徴や認知を高めてもらうための手法です。YouTubeやInstagramなどのSNSが普及したことで、より影響力が高まっています。メリットは、通常の手法に比べて口コミ的な要素があり、広告っぽさがないということや特定のコミュニティーに向けて狙い撃ちが出来るということです。

アクイジションマーケティング

マーケティングの最終的目標は顧客獲得ですが、多くの施策は認知度アップ、ブランドイメージ向上などソフトなものとなっています。アクイジションマーケティングとは、顧客獲得に特化したマーケティング施策です。アクイジションマーケティングでは、ウェブサイトが顧客獲得に具体的に影響するように、フリーな商品を提供したり、ハブを作成したり、コピーライティングの強化などを行います。

コミュニティマーケティング

コミュニティマーケティングとは、コミュニティを通じてプロダクトを売る手法です。例えば、企業から進められるより、その商品領域に詳しい知人からおすすめされた方が購入意欲が湧くということがあるかと思います。このようにコミュニティを活用して、自社商品を広めてもらう手法です。

コミュニティマーケティングが増加している理由は、マスマーケティングの限界による新たな手法の需要喚起やSNSの普及によりコミュニティ形成が増えてきたことなどによります。

パーソナライズドマーケティング

パーソナライズドマーケティングとは、個別最適化されたマーケティングです。ユーザーそれぞれのデータを元に、ユーザーに最適化されたメッセージや情報の提供を行うという手法です。パーソナライズドマーケティングが可能になったのは、マーケティング技術が進化したことにより、様々なデータが取得可能になったことです。

しかし、注意点としては、どのようなユーザーデータを使用するかです。GDPR(EU一般データ保護規則)などが制定されたことなどからわかるように、ユーザー情報の使用には注意が必要です。

ブランドマーケティング

ブランドマーケティングとは、企業やプロダクトのブランドを活用したマーケティングです。ブランドとは、高級ブランドなどのイメージが先行しますが、もともとは牛の持ち主を区別するための焼印からきており、区別させるためのイメージという意味です。

つまり、製品や企業などに顧客が求められる価値を検討し、一般顧客が求める価値を設計し、ブランドの育成につながるような一貫性のある活動を行うことでブランドを育成し、購買につなげることです。

ステルスマーケティング

ステルスマーケティングとは、インフルエンサーなどを活用して広告とは思わせずに消費者に対してプロダクトを宣伝する方法です。具体的には、有名人に商品を利用してもらったり、映画へのプレイスメントなどがあります。近年、悪質なステルスマーケティングも増えてきたこともあり、企業により金銭が発生した場合は、PR表記をしなければならないなどの規制があることなどに注意してください。

ゲリラマーケティング

ゲリラ・マーケティングとは、低コストで消費者に対して、慣習にとらわれない方法で、消費者にインパクトをもってプロダクトなどを宣伝する方法です。たとえば、従来広告がない場所で屋外広告を予想もしないクリエイティブで展開ししたり、イベントを行うことなどがあります。ゲリラマーケティングにおいて重要なのは、どのように記憶に残るのか、そしてどのように拡散されるのかを考えることです。

ネイティブマーケティング

ネイティブマーケティングとは、記事やWEBサイト内で自社の宣伝記事を、通常の記事と同じように表示させる手法です。通常記事と同じように表示されるため消費者もハードルなく自社ページを閲覧することが出来るなどのメリットがあります。

アフィリエイトマーケティング

アフィリエイトマーケティングとは、成果報酬型マーケティングとも呼ばれ、企業が設定したコンバージョンを達成することにより成果が発生する手法です。例えば、ブログにECサイトのリンクを貼り付け、そのリンク経由で商品が購入された場合に成果が発生します。逆にコンバージョンが起きない場合は報酬が発生しません。

パートナーマーケティング

パートナーマーケティングとは、パートナーと協力することで商品の購買を促進する手法です。販売パートナーなどが代表的です。

製品マーケティング

製品マーケティングとは、製品がどのような価値を提供するのかや競合との差別化ポイントはどこなのかというポジショニングを設定し、プロダクトのポジショニングを軸としてプロダクトの販売を促進していく手法です。例えば、STP分析、4P分析などを活用します。

アカウントベースドマーケティング

アカウントベースドマーケティングとは、BtoBマーケティングにおいて有効な手法です。自社がターゲットとすべき企業(優良顧客)を絞り込み、適切なタイミングとアプローチを行うマーケティング手法です。MAやSFAなどを併用することで効率的に進められます。マーケティングと営業など他部署間の連携などが重要になります。

カスタマーマーケティング

カスタマーマーケティングとは、既存顧客とのリレーションを強化するために行うマーケティング手法です。カスタマーマーケティングのポイントは、顧客のペイントポイントをなくし、顧客体験を向上させることです。サブスクリプションモデルが増えていく中で重要性が増しています。

口コミマーケティング

SNSの普及や口コミサイトなどの普及に伴い、口コミはマーケティングにおいて現在特に重要なものの一つです。口コミマーケティングのポイントは、消費者が求めているプロダクトをしっかり作成することにつきます。消費者が気づいていないニーズに答えるようなプロダクトを意識しましょう。

リレーションシップマーケティング

リレーションシップマーケティングとは、カスタマーマーケティングの1種であり、顧客との関係性を築くことで顧客のブランドロイヤルティーを高める手法です。顧客との関係性を築き、ファン化していくことにより、そのファンがインフルエンサーとなり更にプロダクトを広げていってくれるかもしれません。このように、リレーションシップマーケティングは、短期的な視点ではなく、中長期的な視点で考えます。

ユーザー生成マーケティング

ユーザー作成マーケティングとは、ユーザーによるコンテンツ作成を促進することで拡散を狙うマーケティングです。例えば、有名な事例としては、アイスバケツチャレンジなどがあります。ユーザーがコンテンツに参加することで、リレーションを築くとともにユーザーを通して拡散を狙い認知拡大を狙います

近接マーケティング

近接マーケティングとは、ビーコンやGPSを活用してエリアマーケティングです。例えば、店舗の近くにいる消費者に対して、クーポンの配信やメッセージを送信するなどして来店促進を行います。また、店内の決まったエリアにいるときに値引き情報を送信したり、競合商品情報を共有することも出来ます。

イベントマーケティング

イベントマーケティングとは、イベントを企画運営することでプロダクトの認知を高めたり、プロダクトを体験してもらうことで興味関心をわかせるための手法です。イベントは、オンラインでもオフラインでも実施可能です。例えば、セミナーの実施、商品の体験会などがあります。

体験型マーケティング

体験型マーケティングとは、イベントマーケティングより一歩進んだ考え方です。対面やイベントなどを通して、消費者に特別な体験をしてもらうことにより消費者との関係性を築いたり、ブランドロイヤリティを高める手法です。体験型マーケティングで重要なのは、そのプロダクトならではの特別な体験が出来るということです。例えば、会員制のパーティーや没入型のイベントなどがあります。

インタラクティブマーケティング

インタラクティブマーケティングとは、消費者が広告ビジュアルなどに対話することが出来る革新的なマーケティング手法です。例えば、消費者が選択しながらストーリーが進むビデオや、チャット、ライブコマースなどがあります。

グローバルマーケティング

グローバル・マーケティングとは、海外での展開を検討するマーケティング手法です。進出する国の市場調査、国に合わせたコンセプト作り、販路開拓等が必要になります。

オムニチャネルマーケティング

オムニチャネルマーケティングとは、オンライン・オフラインなど企業とユーザーのタッチポイントとなる接点を全て連携させという考え方です。例えば、店頭に在庫がない場合、ECで購入できたり、ECで購入したものを店頭でうけとれるようになるなどオンラインとオフラインがシームレスにつながったことを指します。

ニューロマーケティング

ニューロマーケティングとは、脳科学の視点から、消費者の感情や意識を測定しマーケティングに活用するという考え方です。言語化される前の感情を測定することで従来ではわからなかった思考の動きを可視化することで今までにない視点でのマーケティング施策を検討します。分析手法としては、視線の動きを追うアイトラッキングや表情認識などがあります。

コーズマーケティング

コーズマーケティングとは、自社のプロダクトや売上を通して社会貢献、環境保護などにつながることを訴求する手法です。コーズ・リレーテッド・マーケティングとも呼ばれ、CSR活動としても知られています。コーズマーケティングで、売上・社会貢献・ブランドイメージ向上などのメリットがありますが、やり方を間違えると利益目的の社会貢献と逆にイメージ低下にも繋がるため注意が必要です。

物議を醸す(炎上)マーケティング

炎上マーケティングとは、消費者の間に議論を起こすような材料を提供することで注目を集める手法です。企業は、消費者が議論したいと思うような材料を提供します。しかし、最近はデリケートな問題に関わることや、不祥事などによる炎上など悪い意味として使われている事が多いです。

フィールドマーケティング

フィールドマーケティングとは、小売店舗など消費者と直接接触できる場所で行うマーケティングのことです。POPやサンプルなど購入の最後の後押しとなる施策を行うのが大きな特徴です。

マーケティングの種類まとめ

いかがでしたでしょうか。マーケティングは様々な種類があります。どの手法が正解はありません。自社の置かれている市場環境、使える予算、顧客などを把握した上で、最も適切な手法を選びましょう。

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マーケティング施策は戦略的なプロセスによって生み出されます。正しいマーケティングプロセスを行うことで「自社の課題をクリア」にし「その課題を乗り越えるマーケティング施策」ができます。現在、新型コロナウイルスの影響でビジネスの在り方が変化しています。変化の時代だからこそ、BtoBをはじめとした企業はオンラインを活用したセールスなどマーケティングプロセスの見直しをしています。

本稿ではマーケティング初心者向けにマーケティングプロセスを紹介しています。本稿を読むことで「正しい戦略的なマーケティングプロセス」や「その目的と方法」、「マーケティングプロセスの成功事例」を学べます。これらによってマーケティングプロセスの構築や、これまでのワークフローの見直し・刷新が出来るでしょう。

マーケティングプロセスとは?

マーケティングプロセスとは「自社の目標をクリアにし、それを達成するための戦略的な一連のプロセス」を指します。具体的には市場を分析し、ターゲットとなる顧客を獲得するまでの流れを設計します。全体的な流れは次の画像の通りです。

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の修正までが重要

マーケティングプロセスは大きく、環境分析と基本戦略設計、戦略の実行評価の3つのステップに分類できます。各フェーズの目的は次の通りです。

  • 環境分析:市場を理解し自社事業が参入・成長する機会を発見する
  • 基本戦略設計:ターゲットとする顧客を明確化し、具体的なマーケティング戦略を立案する
  • 戦略の実行評価:自社の目標と実際の成績を比較し、どのような改善が必要か検討し再実行する

以上のマーケティングプロセスを通じて、ビジネスが成功するように戦略を考え実行します。マーケティングプロセスは大きな視点の環境分析から行い、自社のマーケティング戦略に落とし込ことに意味があります。マーケティングプロセスを活用することで、市場に対して正しく堅実なマーケティング戦略が遂行できるのです。

環境分析

マーケティングプロセスにおける市場分析は「自社事業の参入・成長の機会を発見する」役割を持っています。代表的なフレームワークはPEST分析3C分析SWOT分析です。これらのフレームワークを活用することで、自社がすべきビジネスを洗い出すことが可能です。

PEST分析や3C分析、SWOT分析をすると重複しているように思える部分がでてきますが、安易に飛ばさず行うことをおすすめします。なぜなら各フレームワークにはそれぞれの長所や短所があります。様々視点から市場を分析することで、より解像度高く理解出来るのです。

市場を分析し、効果的な意思決定をサポートするための科学的な調査・分析に「マーケティングリサーチ」というものがあります。気になる方は下記記事もオススメです。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
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PEST分析

PEST分析は政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、テクノロジー(Technology)の頭文字をとって名付けられました。PEST分析の活用することで、マクロ的な視点から市場環境を把握できます。

政治

  • 税制や法律などはビジネスに影響はないか?
  • 協力企業や顧客がいる国の政治は安定しているか?
  • どのような法律や規制がユーザーに影響を与えているか? など

経済

  • 経済の景気や成長は事業にどの程度影響するか?
  • 株式市場や資金調達市場は事業に影響を与えるか?
  • 金利や為替、税金などは事業にどのような影響を与えるか? など

社会

  • ユーザーの年齢や性別などは何か?
  • 人口の増減はどの程度、事業に影響するか?
  • ユーザーのライフスタイルの変化は購買行動に影響するか? など

テクノロジー

  • 特許やライセンスは事業に影響するか?
  • どのようなイノベーションが事業に影響するか?
  • テクノロジーの活用でコストの削減や収益の向上は出来るか? など

3C分析

3C分析は顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)を指します。市場を形成する主な3つの要素を分析することで自社が置かれている市場を理解することはもちろん、自社がすべき事業の概要を掴むことが可能です。

顧客

  • あなたの顧客は誰か?
  • 売上の構成や傾向は?
  • 顧客数はどの程度伸びているか?
  • 顧客が購入するまでのプロセスは?
  • 顧客がなぜあなたのプロダクトを求めるのか? など

競合

  • 競合は誰か?
  • 競合の市場シェアは?
  • 競合の強みと弱みは?
  • 市場は競合をどのように位置付けてるか? など

自社

  • 売上は?
  • 目標との差は?
  • 文化は?
  • パフォーマンスは?
  • 強みと弱みは? など

SWOT分析

SWOT分析では機会(Opportunity)脅威(Threat)強み(Strength)弱み(Weakness)を分析します。また機会と脅威は「自社ではコントロールできない外的要因」を指し、強みと弱みは「自社内の内的要因」を指します。SWOT分析を活用することで自社の弱みを強みで打ち消す施策を検討できるのです。

機会

  • 未開拓の市場はあるか?
  • 市場にトレンドがあるか?
  • 市場規模はどれくれいか?
  • 市場はどの程度成長しているか?
  • 市場参入・成長する可能性はあるか? など

脅威

  • 懸念する問題はあるか?
  • 自社が参入する時の障害は?
  • 競合は新規参入に排他的か?
  • 規制などが行われる可能性は?
  • 協力企業や顧客の交渉力は強いか? など

強み

  • 得意な業務は?
  • 競争優位性は?
  • 活かせる組織文化は?
  • 競合企業より優れている点は?
  • バリューチェーン内でコントロールできるものは? など

弱み

  • 不足しているリソースは?
  • 能力発揮を障害するものは?
  • 認知度やブランドはあるか?
  • 価値を生み出すまでのコスト構造は?
  • 限られたリソースの中で成功に必要なものは? など

セグメンテーション(市場細分化)

市場の分析から市場参入・成長の機会を特定できたら、STP分析を通じてどのような顧客をターゲットとするかを分析します。STP分析とはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの順に行うマーケティングプロセスを指します。

まず、セグメンテーションは「どの機会に優先的にアプローチしていくかを決める」役割を持っています。分類の方法は自由ですが、主に年齢や住んでいる地域、ライフスタイルなどによって行うことが多いです。

細分化された市場の規模や成長性を理解します。これらに優先順位を付けることで、マーケティング戦略がより具体的になり戦略の精度が上がります。

ターゲティング

アプローチする市場が決定できたら「自社が理想とする顧客像を見つけ出すターゲティング」をします。このプロセスで顧客な詳細なプロフィールを記載したペルソナを作る企業が多いです。なぜなら市場には多種多様な人がいるからです。ターゲティングを通じ、顧客の解像度を上げることで自社に最も適した施策を実行できるようになります。

これまでのプロセスで得た分析結果では、顧客を明確化できない場合があります。その場合はインタビューなどのリサーチを追加で行い、顧客についてより深く知る必要があります。顧客理解を深めることで、自社の価値がより効果的に顧客に伝わるマーケティング戦略を考えられるのです。

ポジショニング

ターゲティングにより自社がターゲットとする明確な顧客像を理解したら「顧客にどのように魅力的であるかを認識させるための活動であるポジショニング」を行います。顧客は競合企業と比較して購入するプロダクトを選定します。そのため自社のプロダクトが競合と比較して「何が違うのか」「どの点が優れているか」と言った差別化をする必要があります。

成熟した市場ではプロダクトが溢れているため、ポジショニングの役割は重要です。顧客が「私はこれを求めていた」「この商品が欲しい」と思わせる差別化をし、マーケティング戦略に活かしましょう。

マーケティングミックス

競合企業との差別化が終えたら「顧客にアプローチする方法を決定するマーケティングミックス」を選択します。マーケティングミックスはプロダクトの価値を高める組み合わせです。またマーケティングミックスは4Pと4Cをベースに立案するのが一般的です。

4Pは製品戦略(Product)価格戦略(Price)流通戦略(Place)販促戦略(Promotion)を指し、4Cは顧客価値(Customer value)顧客にとってのコスト(Cost)利便性(Convienece)コミュニケーション(Communication)を指します。

両者の違いは視点にあります。4Pは企業目線であり、4Cは顧客目線です。これら両方のフレームワークを活用することで、主観的にならず顧客が本当に求めるものを提供するマーケティング戦略を立案することが可能です。

4C分析と4P分析の比較

マーケティングの戦略はアイデアを出すことで満足してはいけません。多くの場合、1回の戦略立案・実行だけではビジネスは成功しないからです。そのためマーケティング施策を実行した後のために測定可能な目標とマイルストーンを設定する必要があります。設定する目標はSMARTであることがポイントです。

  • 具体的に(Specific):何を達成したいのか?
  • 測定可能な(Measurable):どのように進捗を測定するか?
  • 達成可能な(Achievable):その目標は達成できるか?
  • 経営目標に関連した(Relevant):自社のミッションに関連しているか?
  • 時間制限がある(Time-Bound):目標を達成する期限はいつか?

目標設定を終えたらそれらを達成するために必要なコストを洗い出します。必要に応じて予算の規模や、実施するマーケティング施策を調整しマーケティング戦略を実行します。

4P分析の詳細については、下記記事をご覧ください。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
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実行と評価

具体的なマーケティング戦略が立案したのち、それを実行します。実行の段階で資金の用意や人員の配置、毎月のベンチマークやアクションプランを準備しておくと評価がしやすくなります。

定期的にマーケティング戦略を実行した結果を基に、戦略を改善していき自社事業の成功を目指します。これにより自社の収益や成長性、顧客満足度などの進捗を測れます。また競合他社の動きも注視する必要があります。大々的な値引きキャンペーンや新商品の発表など、自社のビジネスに影響がある場合は戦略を修正しましょう。

マーケティングプロセスの重要性

ビジネスは顧客と自社を満足させる必要があります。戦略的なマーケティングプロセスを経ることで、これら両方の理解を行い具体的なマーケティング戦略を実行できます。特にマーケティング戦略において以下のポイントの理解は欠かせません。

  • 自社のターゲット顧客を絞る
  • 自社プロダクトの提供価値を知る
  • 自社が対象とする顧客の理解を深める

またマーケティング戦略の計画や目標があることで、ビジネスの方向性が明確になることや、予算の浪費が防げます。これにより組織内全員が同じ目標に向かって働けます。それに加え、戦略の結果に応じてマーケティング戦略を修正していくことで、戦略を進化させることも可能です。具体的には顧客ニーズをより満たすための人員の再配置や、お試し価格といった販売促進などができます。

以上のように自社の市場の機会を発見し、それを獲得するための地に足ついた戦略を立案でき、「顧客により求められるには」を考えられる点で、マーケティングプロセスは重要なのです。

マーケティングプロセスで成功した企業の事例

マーケティングプロセスはビジネスの成功に欠かせないフローです。自社の課題を発見でき、またその課題を乗り越える方法も見つけられます。そのためには「顧客の理解」と「成功するためにはどうしたら良いか」に対して愚直に向き合う必要があります。

【資生堂】シーブリーズ

女子高生がよく利用する「シーブリーズ」というボディケア製品があります。2000年までは男性のユーザーがほとんどでした。しかし海に行く人が少なくなったことでシーブリーズの売上が下がり、この製品を提供する資生堂は事業の存続を問われました。

資生堂はマーケティングプロセスを見直します。そこでシーブリーズが提供する価値は海に行く男性だけでなく、女子高生にも効果があることを発見します。ターゲットの変更と合わせてマーケティング戦略を変更し、低迷期の8倍の売上を記録しました。

【マクドナルド】2014年の不祥事からの回復

国内3,000店舗以上あるマクドナルドですが、2014年に賞味期限切れの鶏肉が使用されていたニュースをきっかけに、多くのユーザーを失った事件があります。事実2014-2015年に567億円の損失を抱えてしまったのです。

マクドナルドはこの事件をきっかけに「利用しなくなったユーザーをどう取り戻すか」を考え、マーケティング戦略を練り直します。始めに対象のユーザーにインタビューを行い「顧客が本当に求めるマクドナルド像」の理解に努めたのです。

ユーザーインタビューの結果、マクドナルドはポジショニングを変更します。事件以前は「おいしい・安い・早い」でしたが、「出来たてで美味しい・価値に対してお得感がある・便利で楽しくて笑顔になれる空間」を目指したのです。具体的には以下の施策を実施しています。

  • 裏メニューの提供
  • お手頃マックの提供
  • ポケモンGOが利用できる

顧客インサイトを軸にメニューの開発や店舗の改装などを実施した結果、2年で250億円の営業利益を獲得することに成功しています。

まとめ

本稿では「マーケティングプロセス」について解説してきました。マーケティングは企業経営に不可欠です。またマーケティングには戦略的なマーケティングプロセスが必要です。各プロセスの手順や目的、重要性を理解することで精度の高いマーケティング施策を実行することができます。また戦略は実行してからが勝負です。戦略実行の結果を基にマーケティングプロセスを繰り返し、修正・改善していくことでビジネスの成功に近づけるでしょう。

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マーケティングフレームはマーケティングの計画の立案、実行に役立つテンプレートです。フレームワークを使いこなすことで計画の精度が上がり、ビジネスの成功へ近づくことができます。

しかしマーケティングフレームワークは長年研究されてきたこともあり、その数が多いです。そのため、どのフレームワークをどのように使えば良いか分からないこともあります。

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つフレームワークを解説しています。

なぜマーケティングのフレームワークの活用が重要?

マーケティングについて学ぶ時、必ずそのフレームワークについて学びます。しかしフレームワークの活用は重要なのでしょうか。その答えは非常に重要です。

マーケティングのフレームワークはマーケティング戦略を考える時に役立ちます。フレームワークを利用することで以下の利点があります。

  • 戦略に関わる事柄の抜け漏れなど防ぎ、思考の整理がしやすい
  • その場しのぎの戦略、対応を防ぎ、持続的な成長を目指せる

マーケティングのフレームワークを利用する時のポイントは次の2つです。

  • ロジカル思考: ロジックツリーを用いて、論理的に戦略を計画します
  • MECE: 抜け漏れやダブりを防ぐことで、計画の精度を高めます

これらを意識することでマーケティング戦略の精度があがります。

マーケティング戦略を立てる前に役立つフレームワーク

マーケティングのフレームワークは市場環境の分析や、マーケティング戦略をどのように行うのか計画するために用いられます。具体的にはSWOT分析やPEST分析、ファネル分析などです。

SWOT分析

SWOT分析はマーケティング戦略の前段階である市場環境分析で主に行われます。SWOT分析の結果から、プロダクトがおかれる市場環境や事業の課題について理解できます。

SWOT分析の図解

SWOT分析とは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字から、そう呼ばれます。各項目の詳細は次の通りです。

  • 強み: 戦略目標の達成にプラスとなる企業内部の特性
  • 弱み: 戦略目標の達成にマイナスとなる企業内部の特性
  • 機会: 戦略目標の達成にプラスとなる企業外部の特性
  • 脅威: 戦略目標の達成にマイナスとなる企業外部の特性

多くの場合、機会と脅威はPEST分析の結果を用いることが一般的です。

PEST分析

PEST分析もSWOT分析と同じようにマーケティング戦略の前段階である市場環境分析で主に行われます。PEST分析の結果から、プロダクトがおかれる市場環境や事業の課題について理解できます。

PEST分析は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の頭文から造られた言葉です。各項目の詳細は次の通りです。

  • 政治: ビジネスを規制する法律や政治動向など
  • 経済: 経済水準や所得、為替、金利など
  • 社会: 人口動態やライフスタイル、価値観、流行など
  • 技術: ビジネスに与える技術の動向など

3C分析

3C分析もこれまでのフレームワークと同じように、マーケティング戦略の前段階で主に行われます。自社が持つビジネス上の課題や優位な点について理解できます。

3C分析とは「顧客や市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」を指します。各項目の詳細は次の通りです。

  • 顧客や市場: 市場規模やその成長性、顧客のニーズと購買行動など
  • 競合: 競合企業の市場シェアやポイント、対象となる競合など
  • 自社: プロダクトの現状やリソース、バリューなど

3Cの中で最も重要な項目が「顧客と市場」です。顧客が抱える悩みや不満などをヒアリングし、どのような解決策を求めているのか理解することに努めましょう。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
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7Sモデル

7Sモデルはマーケティング戦略から見た組織の特性を理解するのに役立ちます。マーケティング戦略は組織体制を含め、どのように実行していくかが命運を分けます。そのため7Sモデルを利用する必要があります。

7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれる

7Sモデルは「戦略(Strategy)」「ストラクチャー(Structure)」「システム(Systems)」「スタッフ(Staff)」「スキル(Skills)」「スタイル(Style)」「共有された価値観(Shared Values)」頭文字をとってそう呼ばれています。

  • 戦略: マーケティング戦略の定義
  • ストラクチャー: マーケティング戦略を組織的にどう行うか
  • システム: 事業運営をサポートする技術的なシステム
  • スタッフ: 社員の特性や報酬制度など
  • スキル: スタッフが持つ能力
  • スタイル: 組織の文化や協力企業との関係など
  • 共有された価値観: 企業が掲げるビジョンなど

BCGマトリクス

BCGマトリックスはボストンコンサルティンググループが開発したフレームワークです。市場シェアと市場の成長率をもとにプロダクトを4事象に分け、評価します。これにより市場環境に応じたリソースの投入量など、俯瞰的にマーケティング戦略を検討できます。

負け犬: 成長率やシェアが低いプロダクト
問題児: 高成長市場でシェアが低いプロダクト
花形: 高い市場シェアを持つ高成長市場でのプロダクト
金のなる木: 低成長市場でシェアの高い製品

高成長の市場は魅力が高く、競合企業の参入が予想されます。そのため積極的な投資が必要となります。しかし、いずれ市場の成長は伸びとどまり、現状維持か下降します。

そのような市場では競合企業は参入はしてもうまみがないため、追加の資金投資を行う必要性は低くなります。追加資金がかからない状態で市場シェアを取り続けていれば、当然そのプロダクトは利益貢献することでしょう。

BCGマトリクスの図解

マーケティングの戦略的フレームワーク

フレームワークを利用することで一部重複が見られることもあります。しかしフレームワークの活用はマーケティングへの取り組みを分かりやすく可視化することに意味があります。多様なフレームワークを用いて、複眼的に顧客や市場と向き合うことがマーケターに求められるのです。

STP分析

STP分析はプロダクトが対象とする顧客をクリアにする役割を持っています。STP分析は全てのマーケターに必要なフレームワークです。

STPとは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の略です。各要素からプロダクトに最適な顧客を洗い出すことができ、競合と比較してどのポイントで自社プロダクトが良いのか分かります。

ファネル分析

ファネルとは漏斗(ろうと)を指し逆三角や、すり鉢状の形をしており顧客の認知から購買までを分析するのに役立ちます。

顧客の行動に合わせたファネル分析を行うことで、顧客が欲求や意志に添えたマーケティング活動ができているか測ることできます。

詳しく知りたい方は「【徹底解説】マーケティングファネルとは?効果的な作り方から最新事情まで 」をご覧くださいませ。

マーケティングのお仕事をしていると「ファネル」という言葉を一度は聞いたことあるはずです。ファネルを理解すると顧客が今、何を求めているのか分かります。本稿はファネルの基礎知識、ファネルの限界、ファネルに代わるマーケティング手法などについてご紹介します。マーケティングファネルとは?ファネルとは漏斗(ろうと)を指し、逆三角やすり鉢状の形をしています。マーケティングファネルはAIDMAという、”一般的な顧客は商品の認知に始まり、欲求や記憶、購買までと至る”という消費者の購買決定プロセスから発展してできました...
【徹底解説】マーケティングファネルとは?効果的な作り方から最新事情まで - INFOHUB-media

4P分析

4P分析はマーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。次の頭文字をとって4Pと呼ばれています。

  • 販売戦略(Product)
  • 価格戦略(Price)
  • 流通戦略(Place)
  • 販促戦略(Promotion)

詳しく知りたい方は「マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説」をご覧くださいませ。

マーケティングを新たに担当することになった方は、一度は4P分析をお聞きになったことがあるかもしれません。なんとなく概念としては理解できるけど、いつ、どのように活用すればいいのかわからないという方も多いかと思います。本稿では4Pとはの基本からよく間違えられる4C分析との違い、実際に活用するときのポイントをご紹介します。是非参考にしてください。4P分析とは、マーケティング・ミックスのフレームワーク4P分析は、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。下記の4つの...
マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説 - INFOHUB-media

4C

4C分析は4P分析同様、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。企業目線の4P分析と異なり、4C分析では顧客目線に立って戦略立案を行うため、顧客により寄り添うことができます。

4C分析は次の言葉の頭文字に由来します。またこれら4つの要素は4Pのそれと対になる関係を持っています。

  • 顧客にとっての価値(Customer Value)
  • 顧客にとっての費用(Customer Cost)
  • 顧客にとっての利便性(Convenience)
  • 顧客とのコミュニケーション(Communication)
マーケティングに携わっている方は、マーケティングミックスを検討する際に活用するフレームワークとして4C分析や4P分析を聞いたことがあるかもしれません。現在マーケティングにおいてより顧客中心で考えることが重要になっている中で、4C分析の考え方は欠かせなくなってきています。本稿では、4C分析とはなにか、4P分析との違いなどをご紹介します。ぜひ参考にしてください。マーケティング4Cとは?マーケティング・ミックスを検討するためのフレームワークの1つです。4Cは顧客視点のフレームワークであり、Consumer wants and needs...
4Cとは?マーケティングは4Pから進化している-事例や比較で解説 - INFOHUB-media

マーケティングミックスの7P

マーケティングミックスは製品価値や収益を最大化するために、最適な方法を検討するためにうみだされたフレームワークです。マーケティングミックスは顧客と製品をつなぐ戦略のため、事業の成功と失敗の鍵を握る重要な役割を持ちます。

7Pは4Pや4Cだけでは検討できない、サービスなど無形のプロダクトの特性に合わせて作られています。7Pの要素は4Pのそれに加え、次の3つのを加えます。

  • 物理的証拠(Physical Evidence)
  • 要員(Personnel)
  • 業務プロセス(Process)

マーケティングミックスについて詳しく知りたい方は「マーケティングミックスとは?その重要性や4P分析、活用方法も解説 」をご覧くださいませ。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
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5フォース分析

マイケル・ポーターにより提唱されたファイブフォース分析では、市場で働く5つの力によって収益性を測ることができます。これによってリソースの投入量や新規参入、事業撤退の判断に役立ちます。ファイブフォース分析の各要素は次の通りです。

  • 業界内の競合
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力

プロダクトライフサイクル

マーケティング戦略において大切なことは、リソースを投入してどれだけの成果が得られるかどうかです。これはプロダクトのライフサイクルによって変化するため見極める必要があります。プロダクトのライフサイクルのステージと特性は次の通りです。

  • 導入: 売上高が低く、競合企業がほとんどいない
  • 成長: 売上高が高まり、競合企業も増える
  • 成熟: 売上高が伸びとどまり、競合企業とシェアの奪い合い
  • 衰退: 売上高が低下し、競合企業も次第に撤退していく

CLVモデル

CLVモデルは顧客がプロダクトに支払う生涯金額を算出します。これにより将来の収入とその現在価値に基づいてマーケティング戦略を実行できます。具体的にはCLVモデルの中でコストを調整することや、CLVを向上する施策を検討することができます。

マーケティングフレームはマーケティングの計画の立案、実行に役立つテンプレートです。フレームワークを使いこなすことで計画の精度が上がり、ビジネスの成功へ近づくことができます。

しかしマーケティングフレームワークは長年研究されてきたこともあり、その数が多いです。そのため、どのフレームワークをどのように使えば良いか分からないこともあります。

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つフレームワークを解説しています。

グロースのフレームワーク

グロースハックとは徹底的に分析・改善・実行し、ユーザーの数や質を向上させ続け、サービスの成長させていくことを指します。

グロースハックの成功事例を紹介します。暮らすように旅するで有名なAirbnbはグロースハックで成長しています。Airbnbは予約が伸び悩む物件を分析したところ、写真のクオリティーに問題があることを発見しました。そこでプロのカメラマンに撮影を依頼したところ、予約数が3倍程度拡大しました。

グロースハックにはマーケティング戦略の実施の結果と根気強く対峙することが必要です。

グロースハックについて詳しく知りたい方は「今さら聞けないグロースハックとは?成功事例や分析手法を解説 」をご覧くださいませ。

一時トレンドワードとしても注目を浴びていた「グロースハック」。近年以前ほどの注目はありませんが、グロースハックは、マーケティングの上で欠かせない手法です。本稿ではグロースハックとはなにか、またグロースハックを身につけ、成功させるためのポイントを解説します。グロースハックとは?グロースハックとは、英語では「Growth hack」と書き、「サービスの成長に、徹底的に分析・改善・実行し、ユーザーの数や質を向上させ続けること」をさします。データやユーザーの声などを分析し、プロダクトを改善させる手法のことです。...
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ピボット分析

ピボットとは経営の方向性を変更する経営判断のことを指します。これはマーケティング戦略と顧客ニーズとのズレを解消するために行います。

ピボットは顧客に合ったプロダクトや戦略を実行するために欠かせないプロセスです。そのため素早く多くのピボットを行い、マーケットにフィットすことが成功への近道だと言えるでしょう。

AARRRモデル

グロースハックでもっとも重要だと言われているのがAARRRモデルです。AARRRモデルはサービスの成長段階を表す頭文字をつなげたものです。5つの成長段階は次の通りです。

獲得(Acquisition)
活性化(Activation)
継続(Retention)
紹介(Referral)
収益(Revenue)

AARRRモデルの図解

それぞれのデータを分析することで事業を把握し改善することができます。AARRRモデルの特性はどの事業においても利用することができ、「的確な成長フェーズ」に「的確な指標」を用いて「的確な改善策」を行うことができます。そのためグロースハックと相性が良いのです。

行動のフレームワーク

事業の成長にはマーケティング戦略の実行が欠かせません。またその結果に応じた見直しや再実行を繰り返すことで、マーケティング戦略が洗練され顧客とプロダクトがフィットします。

ここでは目標の達成のために役立つ行動のフレームワークをご紹介します。

PDCAサイクル

PDCAは「計画(Plan)」「行動(Do)」「検討(Check)」「実行(Action)」の4つのステップの頭文字から呼ばれています。これらステップを限りなく繰り返すことで、マーケティング戦略を磨いていくことができます。

OODAループ

OODAループは万能な思考のフレームワークです。OODAループは「見る(observe)」「分かる(orient)」「決める(decide)」「動く(act)」を「見直す(Loop)」の5つのステップを繰り返すフレームワークです。

OODAループは汎用性が高く、オフラインとオフライン、B2CやB2Bでも活用することができ、PDCA同様、マーケティング戦略の洗練が期待されます。

OKR

OKRとは目標設定とその管理を担います。OKRは目標と主要な結果(Objectives and Key Results)の略称です。シリコンバレーを中心に導入する企業が多く、注目を集めている手法です。

OKRは従業員が同じ方向性を持って、明確な優先順位に基づき一定のペースで計画を進行していきます。従来の計画方法と比較して高い頻度で目標を設定し、再評価します。

まずフレームワークを作るところから始めてみよう

本稿ではマーケティング戦略の作成から分析、再実行に役立つ
フレームワークを紹介してきました。フレームワークを活用することでマーケティング戦略の精度があがります。また複数のフレームワークを使うことで、複眼的に顧客や市場、競合企業について考えることができます。持続的な企業の成長には根気強く、戦略の評価、修正、再実行を繰り返していくことが重要です。

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マーケティングを進める上で、分析は欠かせません。しかし、色々ある分析手法で自社に何が一番適切なのか、どのように進めればいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?現在、オンラインだけでなくオフラインのユーザーの行動データが取得可能になっています。様々なデータが取得できる様になることで今後マーケティング分析がより重要になってきます。本稿ではマーケティング分析の代表的な手法の紹介から、分析を行う際の注意点をご紹介します。ぜひご参考にしてください。

12のマーケティング分析手法

マーケティング分析手法には様々なものがあります。ここでは、代表的な12のマーケティング分析手法をご紹介します。

3C分析

3C分析は市場環境を分析する手法です。自社がどのような顧客、どのような競合を相手に戦っていくのかの大枠を分析するのに有効です。3Cとは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字から来ています。分析視点としては、下記があります。

顧客(Customer):現在の市場規模はどの程度なのか、どのような顧客がいるのか、どのようなニーズがあるのかなどを分析します。

競合(Competitor):市場にどのような競合がいるのか、シェアはどれくらいなのかなどを分析します。

自社(Company):自社のプロダクトの強みは何なのか、競合との差別化ポイントは何なのかなどを分析します。

3C分析では、進出しようとしている市場が本当に戦っていける可能性があるのかなどを分析するために活用しましょう。分析のステップとしては、顧客(Customer)からはじめ、競合(Comeptitor)、自社(Company)の順番で進めると進めやすいです。

4P分析

4P分析は、マーケティング・ミックスを検討する時に有効な分析です。マーケティング戦略を実行案に落とし込む時に活用します。4Pは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの視点で施策を考えるためのフレームワークです。

製品(Product):マーケティングの源泉となる製品の戦略です。どのようなサービスを提供するのか、どのような製品名にするのかなど、戦略に従いプロダクトの概要を決めます。

価格(Price):プロダクトをいくらで売るのかを検討する価格戦略です。この際、価格だけでなく売り切り型にするのか、サブスクリプション型にするのかの課金制度も決めます。

流通(Place):どのように顧客にプロダクトを届けるのかを検討する流通戦略です。流通戦略の際に重要なのは、プロダクトのブランドイメージとの相違がないことです。例えば、高級なイメージなのにコンビニで売るといったことは避けましょう。

プロモーション(Promotion):顧客にどのようにプロダクトを認知してもらうのか、どのように関心を持ってもらうのかの施策を検討します。具体的な施策例としては、TVCM、リスティング広告、イベントなどを含みます。

4P分析を行う上でのポイントは、矛盾がないかを確認することです。戦略との矛盾がないか、それぞれの施策間で矛盾がないかを確認することにより、一貫したイメージを消費者に対して提示できます。

マーケティングを新たに担当することになった方は、一度は4P分析をお聞きになったことがあるかもしれません。なんとなく概念としては理解できるけど、いつ、どのように活用すればいいのかわからないという方も多いかと思います。本稿では4Pとはの基本からよく間違えられる4C分析との違い、実際に活用するときのポイントをご紹介します。是非参考にしてください。4P分析とは、マーケティング・ミックスのフレームワーク4P分析は、マーケティング戦略立案プロセスの中のマーケティングミックスで活用するフレームワークです。下記の4つの...
マーケティングの4Pとは?基礎知識から4C分析との違い、事例を解説 - INFOHUB-media

5フォース分析

5フォース分析は、市場に参入を検討する時に市場環境、特に外部環境を分析する際に活用するフレームワークです。経済学者マイケル・ポーターにより提唱されました。

「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要素が市場に影響するというものです。それぞれの力が強いほど市場の収益性が低いと判断されます。

7S分析

7S分析とは、自社の経営資源を分析するためにマッキンゼーが提唱したフレームワークです。7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれます。

ハードの3Sは、Structure(組織構造)、System(システム)、Strategy(戦略)であり、比較的簡単に変更できるものです。

それに対してソフトの4SはSkill(スキル)、Staff(人材)、Style(スタイル)、Shared Value(共通の価値観)です。これらの要素はShared Valueを中心にそれぞれ相互に連携しあっています。

7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれる

7S分析をおこなうことで、企業内の課題の洗い出しや優先順位の決定など組織改革をどのように進めていけばいいのかなどが明確になります。

STP分析

STP分析は、マーケティング戦略で自社が市場でどのように戦っていくのかを策定するための分析です。STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字からきております。それぞれの内容に関して下記ご紹介します。

Segmentation(セグメンテーション):セグメンテーションとは、市場の細分化です。多様な要素から構成される市場全体を自社プロダクトに適したターゲットを規定するために細分化します。市場は消費者の塊であり、様々なニーズの人がいます。このように多くのニーズから自社のプロダクトに適した市場を細分化することにより、最適なコミュニケーションが可能になります。

Targeting(ターゲティング):セグメンテーションの次のステップはターゲティングです。細分化した市場セグメントから自社のプロダクトのニーズがあるセグメントはどこなのかを規定します。

Positioning(ポジショニング):最後はポジショニングです。規定したターゲットを軸に、自社がどのような価値を提供するのか、どのようなポジショニングをするかを規定します。

このように規定したSTP分析は、その後のマーケティング・ミックスの元となる戦略になります。STP分析をしっかり行うことがマーケティングの肝になります。

消費者の嗜好が多様化してきたことやインターネットの普及など、市場が大きく変化したことにより、大企業や中小企業、スタートアップ含め、どのような企業にもマーケティングの戦略は重要です。本稿では、マーケティング戦略とはなにか?戦略を進めるためのステップなど解説します。マーケティング戦略とは?マーケティング戦略の前に、マーケティングとは何かをご紹介します。マーケティングとは、有識者や団体によって様々な定義がありますが、様々な定義に共通している要素は「売れる(儲かる)仕組みを作る」ということです。決し...
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SWOT分析

SWOT分析は、内部環境・外部環境を分析する時に有効なフレームワークです。市場環境や外部環境を把握するために活用します。SWOTは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、外部の脅威(Threat)の頭文字からきています。それぞれをマトリックスで整理することで自社がどのような戦略をとるのかを検討できます。

SWOT分析の図解

例えば、自社の強みと脅威を分析することで差別化戦略が検討できます。このようにSWOT分析は自社の戦略検討のヒントになります。

PEST分析

ビジネスを進める上でミクロだけでなく、マクロの影響も重要です。マクロの状況を把握するために活用するのがPEST分析です。PEST分析は、Politics(政治)、Economics(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字からきています。

Politics(政治):薬事法などの法規制
Economics(経済):株式市場や経済動向
Society(社会):外出自粛などのライフスタイルや社会動向
Technology(技術):5GやIoTなど技術革新

このように各視点でどのようなことが起きているのかを常に追うことが重要です。

VRIO分析

VRIO分析とは、自社の経営資源を分析し、企業の強みを把握し競争優位性を見極め、効果的な戦略を立案するための分析手法です。VRIO分析では、経営資源をValue(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の4つの視点から分析します。

VRIO分析の進め方は、Valueから順に自社の経営資源があてはまるのかYes、Noで回答していきます。それにより、自社が「競争劣位、競争均衡、一時的な競争優位、持続的な競争優位」のどれかの状態に当てはまるかを分析出来ます。

VRIO分析の進め方

VRIO分析を行うことで自社のコア・コンピタンスの理解にも有効です。

VSPRO分析

VSPRO分析とは、組織のマネジメントシステムの理想と現実を分析するための手法です。Vision(ビジョン)、Strategy(戦略)、Process(プロセス)、Resorce(資源)、Organization(組織)の頭文字からきています。

それぞれの視点でマネジメントシステムにおける理想と現実を比べることで問題点がどこにあるのか把握します。

 ・Vision(ビジョン):企業のビジョンはどのようなものか?その美容ンは適切か?
 ・Strategy(戦略):戦略がビジョンに沿ったものになっているのか?
 ・Process(プロセス):戦略実行のためのプロセスはどのようなものか?プロセスは戦略にそっているのか?
 ・Resorce(資源):プロセスを実行するためのリソースあるのか?
 ・Organization(組織):戦略実行ができるような組織になっているのか?

このように順に分析していくことで課題がどこにあるのかが明確になり、マネジメントシステムの改善に活用できます。

ファネル分析

ファネル分析とは、プロダクトの購入や会員登録などのコンバージョンまでにユーザーがどのポイントで離脱したのか分析する手法です。顧客の購買行動の理解やインハウスマーケティングの発展に活用します。

コンバージョンに至るまでに徐々にユーザーが絞られていく様子が漏斗の形に似ていることからこのように呼ばれています。

ファネル分析を活用することで、ユーザーがどのアクションポイントでユで大量に離脱しており、どこが改善点なのかを把握することができます。改善点を把握することで、マーケティング施策の改善を行えます。

マーケティングのお仕事をしていると「ファネル」という言葉を一度は聞いたことあるはずです。ファネルを理解すると顧客が今、何を求めているのか分かります。本稿はファネルの基礎知識、ファネルの限界、ファネルに代わるマーケティング手法などについてご紹介します。マーケティングファネルとは?ファネルとは漏斗(ろうと)を指し、逆三角やすり鉢状の形をしています。マーケティングファネルはAIDMAという、”一般的な顧客は商品の認知に始まり、欲求や記憶、購買までと至る”という消費者の購買決定プロセスから発展してできました...
【徹底解説】マーケティングファネルとは?効果的な作り方から最新事情まで - INFOHUB-media

バリューチェーン分析

バリューチェーンとは、自社のサービスやプロダクトの価値が事業のどの工程で生まれているのかを把握するための分析です。バリューチェーン分析を行うことで、自社の強みを把握することやリソースを効果的に配分することによりコスト削減などに繋がります。

バリューチェーン分析の進め方は、バリューチェーンの中にどのような活動があるのかをまず把握します。バリューチェーンの活動は物流やマーケティングなどプロダクトが顧客に届くまで関係する主活動と人事、会計など主活動を支える支援活動に分かれます。

バリューチェーンの活動が整理できたら、それぞれのコストや強み・弱みを把握します。また、これに合わせて先程合わせたVRIO分析も合わせることでより精度が高い事業戦略を行うことが出来ます。

コア・コンピタンス分析

コアコンピタンス分析とは、ユーザーに提供している価値のうち、競合には真似できない自社の中心的な価値を把握するための分析手法です。強みを分析するSWOT分析とは違い、競合との違いを定量的に把握します。

分析をすすめる上で、まずは調査項目を設定します。調査項目例としては下記があります。

・商品力:開発スピード、プロダクトシェア
・企画力:調査力、プランニング力
・営業力:営業人数、企画提案力
・サポート力:顧客満足度

ここで重要なのは、顧客に提供する価値に関することであるということです。そのため、インナー施策などは含めません。

調査項目を設定できたら、調査対象を決めそれぞれに100点満点で点数付けしていきます。そのうえで、他者と比較して勝っている点が自社の強みとなる可能性があります。このように自社のコア・コンピタンス分析をするための手法です。

アンゾフのマトリクス分析

アンゾフの経営マトリックスとは、事業の成長・拡大戦略を検討する際の分析手法です。市場と商品の2つの軸で既存、新規のマトリックスで整理することで企業の成長戦略がシンプルに整理できるというものです。

それぞれのマスは、市場浸透、新市場開拓、新製品開発、多角化にわかれます。

 ・市場浸透:既存市場で既存製品の売上を伸長させるための戦略
 ・新製品開発:既存顧客に新規製品を提供することで売上を伸ばす戦略
 ・新市場開拓:既存商品で新規顧客開拓することで売上を伸長させる戦略
 ・多角化:新規市場で新商品を狙い、事業の拡大を狙う戦略
アンゾフの経営マトリックス図解

このように、市場と製品を軸に事業拡大を検討するための分析手法です。

マーケティング分析はより重要になる

新たなテクノロジーが開発されることによりユーザーの行動データが取得可能になってきています。例えば、購買データからどこに移動したのかの行動データなどオンラインのデータはもちろん、IoTの普及に伴いオフライン行動までもが取得できます。

しかし、データを収集するだけでは意味がありません。データを収集し、そこから新たな発見点を見出すことが重要です。そのために重要なのがマーケティング分析です。ビッグデータの時代にこそマーケティング分析がより重要になってくるでしょう。

分析を行う際の注意点

最後に分析を行う際の注意点をご紹介します。

どんなデータソースを使うか

まず一点目はどのようなデータソースを使用するかです。データソースには大きく1次情報と2次情報があります。

1次情報とは、「自社独自に収集したデータ」です。1次情報は独自に集める調査などが必要なため収集に時間、コストがかかります。しかし、消費者から直接データを集めるため、鮮度の高い質の高いデータを取得可能です。

2次情報は、「第三者によって収集されたデータ」です。第三者により販売、公開されているため簡単にコストをあまりかけず入手することが可能です。しかし、競合他社も手に入りやすいといったことや第三者視点での分析が行われてしまっており、マーケティング戦略で大きいな違いが見いだせないというデメリットがあります。

効果的なマーケティング分析を行うためには、自社独自の1次情報を収集した上で、2次情報も加えて分析するというバランスを検討しましょう。

課題や仮説を出した上で分析しよう

データを分析を行う上で目的がなく分析を行っても適切な結果には繋がりません。なぜ分析を行うのかの目的や、今抱えている課題は何が原因なのかという仮説など、分析の軸や着地点を明確にすることが重要です。

マーケティングにおいて分析を行うことが目的ではありません。目的や仮説を持った上で分析を始めると、どのようなデータが必要なのかも明確になります。このように分析への負担を減らすこともマーケティングを進める上で重要なことです。

いつでも分析が正しいとは限らない

最後は分析は絶対正解ではないということを認識しておくことです。様々なデータが収集出来るようになり、分析を行うことで、例えば消費者に関して完全に理解したと思われる人もいるかもしれません。

しかし、データは消費者の一部分を表すものでしかありません。データ分析は有効な手段ですが、データ分析では見えない部分があるということを常に認識しておくことがマーケティングを進める上で重要です。

まとめ

マーケティング分析は、マーケティングだけでなく事業戦略など幅広く活用できます。しかし、分析は万能ではありません。担当者がしっかりなぜ分析を行うのかの目的を理解し、どのような結果を求めているのかを理解していることが重要です。

また、分析は有効ですが、あくまでも一つの視点に過ぎません。

分析を重ね、施策を実施しまたデータを収集するというPDCAを回すことが欠かせません。本稿では様々な分析手法をご紹介しましたが、まずは自社の課題に沿った分析手法を試してみてはいかがでしょうか。

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近代のマーケティングの第一人者とも言われるアメリカの経営学者フィリップ・コトラー教授が提唱した新しい概念が「マーケティング4.0」です。フィリップ・コトラー教授は、1968年に出版された「マーケティング・マネージメント」から、マーケティングの歴史を築いてきました。そのコトラー氏によるデジタル時代のマーケティング概念がマーケティング4.0です。本稿では、マーケティングの歴史から、マーケティング4.0により何が変わっていくのかなどご紹介します。是非ご参考にしてください。

マーケティング1.0~3.0をおさらい

まずはこれまでのマーケティングの歴史をおさらいしたいと思います。マーケティングは市場環境により形を変化してきました。それぞれの時代の特徴をご紹介します。

マーケティングトレンドの変化

マーケティング1.0

マーケティングがはじまったのは、第二次産業革命頃といわれています。この頃は製品中心ともいわれており、モノの種類も少なかったため、企業はコストを抑えて製品を大量に生産し、消費者に伝えればモノが売れる時代でした。そのため、どれだけ良い商品を作るか、そしてそれをどう伝えるのかと製品が中心に考えられていました。

マーケティング2.0

1970年代頃には、経済発展に伴いモノが溢れてきたことや、オイルショックが起きた影響で消費者の需要が落ち込むことで、製品を生産するだけでは売れなくなってきました。

その結果、消費者がどのようなものを求めているのか、どんなニーズがあるのかを検討し、プロダクトの差別化などを進める消費者中心の時代へと移行しました。この時代はマーケティング2.0といわれます。

マーケティング3.0

1990年代になるとインターネットが登場してきたことで消費者のコミュニケーション手段が大きく変化しました。従来は、消費者が得るプロダクトに関する情報は企業から一方的なコミュニケーションによるものが主でした。

しかし、インターネットが登場したことにより、消費者は自分が求める情報を自由に手に入るようになったり、企業との双方向なコミュニケーションが可能になりました。

また、プロダクトの機能差による差別化することが難しくなった結果、プロダクトそのものではなく、プロダクトによって得られるバリューはなにか、企業自体がどのように社会に貢献するのかやどのようなビジョンがあるのかなどが重視されはじめ、マーケティングの価値中心の時代となりました。この時代をマーケティング3.0と呼ばれます。

マーケティング4.0とはどんな時代か?

現在はこれらの時代を経て、マーケティング4.0時代と呼ばれています。マーケティング4.0は、自己実現の時代と呼ばれています。自己実現とは、マズローの欲求5段階説からきております。物質的欲求、精神的欲求が満たされた、次の段階が自己実現です。プロダクトを機能や価値で選ぶのではなく、プロダクトを使っていることによって自分がどのように見えるのかなどが重要になってきています。

マズローの欲求5段階

なぜ「自己」は重要視されるようになったのか

なぜマーケティングにおいて、「自己」が重視されるようになったのでしょうか?

テクノロジーの発達

1点目は、テクノロジーの発達です。マーケティング4.0の始まりは、SNSの登場がきっかけといわれています。SNSが登場したことで、消費者は企業との双方向のコミュニケーションが可能になり、口コミなど能動的な発信が可能となりました。

その結果、消費者は企業からのコミュニケーションより友人からの口コミなどを信用するようになっています。

モノからコトの時代へ

インターネットの発達により、どこにいてもなんでも購入できるようになったりしたことで、お金さえあれば様々なものが手に入るような時代になりました。
その結果、消費者は感動するような「体験」や「社会に貢献するという価値」が重要になってきています。つまり、人の関心がモノからコトに移行してきているのです。

マーケティング4.0の時代では何が変わるのか?

マーケティング4.0の時代になると、どのようにマーケティングは変わってくるのでしょうか?

セグメンテーションから顧客との繋がりが重要視される

従来のマーケティング戦略の進め方は、まずデモグラフィックやジオグラフィックなどで消費者をひとくくりにしセグメンテーションを行います。その後、市場ボリュームや成長率などを踏まえてどのセグメントがもっともターゲットとして有効なのかを検討します。

しかしこの関係は、企業から一方的な関係であり、いわゆる「縦の繋がり」でした。

マーケティング4.0の時代では、ソーシャルネットワークで消費者同士が繋がり、ネットワークコミュニティを形成し、消費者自身の手でセグメントを形成しています。

企業がこのようなコミュニティーにアプローチするためには、コミュニティーを利用するという意識ではなく、コミュニティーの力になり、関係性を築く意識が必要になってきます。

このように、企業と顧客の関係は「横の繋がり」を持つようになりはじめるのです。

ポジショニング・差別化から”メッセージ”の時代へ

従来のマーケティングにとって、差別化やポジショニングが重要でした。そのために、多くの企業はブランドの確立に力を入れています。

ブランドとは、名称・ロゴ・キャッチコピーなどの競合と差別化だけでなく、顧客体験も含めた全ての企業活動もこれに当たるといっても過言ではありません。顧客のマインドを獲得し、ブランド・エクイティーを確立すためには、企業は明確な差別化ポイント、そして、一貫性のあるポジショニングが必要でした。

しかし、デジタル経済の結果、ブランド戦略も大きく変わります。消費者はブランドを簡単に評価できるようになってきており、客観性がないブランドは通用しなくなったのです。

VUCAの時代といわれ明日どうなっているかわからない今、繰り返し同じようなブランドイメージを伝えるだけではブランドをは育成できなくなっています。

その結果、いま重要になってきているのは、ブランドがなぜ存在しなければいけないのかの存在理由、メッセージです。

存在理由がしっかりしていれば外見がいくら変化しても問題はありません。例えば、GoogleやMTVはロゴを何度も変更していますが、ロゴを変更することで、「変わらぬ個性と柔軟性を併せ持つブランド」という認知を得ることに成功しています。

マーケティングミックスは企業視点の4Pから顧客視点の4Cへ

消費者に何をどのように提供するのかを決め、マーケティング戦略を具体化する重要な要素である「マーケティング・ミックス」。

その代表的なフレームワークは、4Pといわれるものであり、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の視点で施策を考えるものです。

コトラー氏は、マーケティング4.0の時代のマーケティング・ミックスは「4P」から「4C」の時代に変わるといわれています。4Cとは、Co-Creation(共創)、Currency(通貨)、Communal Activation(共同活性化)、Conversation(カンバセーション)の略です。

■ Co-Creation(共創)

デジタル経済では、共創が新たな製品開発戦略になって来るといわれています。製品の初期段階、コンセプトの段階から消費者を巻き込み、パーソナライズやカスタマイズしながら、より優れた製品開発を目指します。実際すでにLEGO社やMicrosoft社も大きく取り入れています。

■ Currency(通貨)

通貨とは、市場の需要に応じて変動することをさします。ダイナミックプライシングと呼ばれており、すでに航空券などに取り込まれている概念です。今後デジタル経済が進む中で、顧客の行動パターンやプロフィールなどに基づいた価格を請求することが可能となります。

■ Communal Activation(共同活性化)

全てがつながる世の中では、モノを利用する概念も所有から共有へと大きく変わります。消費者がほしいと思った瞬間に、自分が所有していなくても、他者が所有しているものを簡単に利用できるようになります。UberやAirbnbなどシェアリング・サービスなどが代表的な例です。

■ Conversation(カンバセーション)

従来のプロモーションは企業からの一方的なコミュニケーションでした。上述のとおり、ソーシャルネットワークの登場により、企業と消費者の双方向なコミュニケーションが可能になりました。その結果、消費者は企業に対してのレビューやフォーラムなど会話が主体のコミュニケーションになってきています。

UXが常に重要視される時代へ

消費者とのコミュニケーションが変わる中で、ユーザエクスペリエンス(UX)がより重要になってきています。

消費者がどのようなペインポイントを抱えているのか、何を必要としているのかを調査し、ブランドを通した体験を提供していくことが求められます。高いUXを提供することにより、顧客とのより良い繋がりが築ける時代となってきています。

4.0の時代ではオフラインが強力な武器となる

マーケティング4.0はデジタルの普及やSNSが普及したことで消費者と企業の関係性が変化してきました。このような時代だからこそ、より一層オフラインが企業にとって大きな武器となります。

伝統とデジタルマーケティングのメリットを融合する

IoTの普及、AIによる知識労働の自動化など、デジタルトランスフォーメーションが起きることで企業と消費者の交流はオンラインだけでなく、オフラインも含めて全てが一体化するようになってきます。その結果、オフラインでの購買データや行動データなども取得可能となり、より個人にあわせたマーケティング可能となっています。

さまざまなデータが取得できるようになり、人工知能などを活用したマーケティングの生産性向上が進むと同時に、オフラインでの人と人とのふれあいがより重要になってきています。

オンラインとオフラインの融合をうまく活用している例がAppleです。販売などはオンラインで完結するような仕組みを設計しつつ、オフラインの接点としてApple Storeでは様々なイベントを実施することで、最上の顧客体験を提供し差別化を図っています。

マーケティング4.0時代のフレームワーク

マーケティング4.0の時代に有効なフレームワークをご紹介します。

顧客視点(マーケットイン)の4C – ロバート・ローターボーン

マーケティング・ミックスのフレームワークがとして顧客時代に活用できるのが4Cです。4CはCustmor Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客にとっての費用)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の4つの要素からきております。従来のフレームワーク4Pがメーカー視点だったのに対して、4Cは顧客視点で検討するものです。それぞれの詳細は下記ご紹介します。

■ Customer Value(顧客にとっての価値)

4PのProduct(製品)にあたる視点であり、プロダクトが顧客のどのようなニーズに答えるのか、顧客がどのようなメリットに答えられるのかという視点でプロダクトを規定します。

■ Cost(顧客にとっての費用)

4PのPrice(価格)にあたる視点で、プロダクトに顧客が支払うコストはいくらなのかプロダクトによってどの程度費用が削減できるのかという視点で価格を規定します。たとえば、商品により顧客の時間がどれくらい削減できるのかと製品に発生するコストのバランスを踏まえ、プロダクトの価格を顧客の視点でどのように映るのかなどを検討します。  

■ Convienece(利便性)

顧客が欲しいと思う場所はどこか、顧客が求めるイメージに合った場所はどこかという視点でプロダクトとの接点を規定します。例えば、顧客がいつでも手に入ることを求めているなら、コンビニなど手に入りやすい場所を販売場所として検討します。

■ Communicaiton(コミュニケーション)

顧客視点でのプロモーションになっているのか、求める情報を提供できているのかという視点で販促施策を規定します。例えば、コンテンツマーケティングで顧客が求める情報を提供できているのか、広告に触れたことで不快な思いをしないのかなどを検討します。

カスタマージャーニーは4Aから5Aへ

マーケティング4.0時代以前のカスタマージャーニーのフレームワークとしては4Aが有名です。4Aとは、認知(AWARE)、態度(ATTITUDE)、行動(ACT)、再行動(ACT AGAIN)の行動に由来亜しており、ブランドのゴールをリピートと定義していることが特徴です。
しかし、マーケティング4.0に移行したことでコトラー氏はカスタマージャーニーを5Aへと変化させるべきだと語っています。

カスタマージャーニー(4A-5A)

5Aは、認知(AWARE)、訴求(APEAL)、調査(ASK)、行動(ACT)、推奨(ADVOCATE)に由来します。ここで特徴的なのは、ブランドのゴールをリピートではなく、推奨としていることです。商品を再購入してもらうことではなく、他人にブランドを進めてもらうようなファンになってもらうことがマーケティング4.0時代には求められます。

マルチチャネルマーケティングの活用

マーケティング4.0の時代では消費者モデルが細分化し、マルチチャネルで消費者とコミュニケーションを取ることが重要です。

その際、チャネルごとの特性を理解し、消費者が何を求めているのかを理解した上で、チャネルごとのコンテンツを制作することが求められてきます。

BtoBでもマーケティング4.0は実現可能か?

マーケティング4.0は自己実現の時代とご説明してまいりましたが、それは企業が顧客となるBtoBでは有効ではないと感じる方もいらっしゃるかと思います。なぜなら企業に対して個人と同じように自己実現をイメージできるのが難しいからです。

しかし、マーケティング4.0に対しても機能させる手段があります。それは、企業という組織自体を個人と捉え、アプローチすることです。個人同様に、企業もどのようにありたいのかという「ビジョン」を持っています。このビジョンの実現に合わせて、企業にアプローチすることでBtoCと同様の効果が期待できます。

逆に、企業の場合は、個人と違い合理的な消費活動をとることが多いため、分析しやすく、アプローチをしやすくなる可能性もあります。

また、BtoBビジネスでも顧客は企業ですが、対応するのは個人です。このような個人をベースとしたマーケティング戦略も可能です。

マーケティング4.0の具体的な事例

具体的にマーケティング4.0で成功している事例をご紹介します。

■ レッドブル

レッドブルは、マーケティング4.0で成功を収めている企業です。レッドブルは、商品自体をコミュニケーションするのではなく、「カルチャー」をマーケティングしています。

例えば、宇宙からのスカイダイビングなどエクストリームスポーツの協賛やXスポーツのイベント開催・協賛を行い、SNSを通して活動を発信しています。

このようなマーケティング活動においては、レッドブルは主役としては扱われておらず、おまけ程度にしかコミュニケーションしています。

しかし、マーケティング活動の結果、レッドブルはエクストリーム(極限)というブランディングに成功し、クールでチャレンジングなことをしたい若者を中心に支持されるブランドとなりました。

「Wow!」で競合との圧倒的差別化を実現

マーケティング4.0では、顧客をファン化(=推奨者)にすることが究極の目標です。
コトラー氏はそのために重要なのは、「Wow!」であると語っております。

皆さんは、初めてスマートフォンを手に取ったときにこれを経験しているはずです。「Wow!」とは、このような素晴らしいサービスなどを通して、言葉にできない経験をしたときの感情といわれています。

「Wow!」は、3つの要素から成り立っています。

・予期せぬ驚きから生まれる
・個人的なもので、それを経験する人だけが生み出すことができる
・伝染力がある

多くの方は、この「Wow!」を偶然の産物と考えるかもしれません。しかし、戦略をデザインし、プロセスを作り上げ、計画的に「Wow!」を引き出すことは、偶然とは程遠く、今後の差別化にって重要な要素になってくるでしょう。

世界と顧客は変化し続けている

VUCAの時代と言われる現代、常に世界も顧客も常に変化しています。新たなテクノロジーの登場などにより、顧客の行動も態度も大きく変化しています。

マーケッターは伝統的なマーケティング手法だけに固執するのではなく、新たなトレンド、新たなテクノロジーを理解しながら、顧客との関係性を築き上げていくことが必要となっていきます。

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マーケティングのお仕事をしていると「ファネル」という言葉を一度は聞いたことあるはずです。ファネルを理解すると顧客が今、何を求めているのか分かります。本稿はファネルの基礎知識、ファネルの限界、ファネルに代わるマーケティング手法などについてご紹介します。

マーケティングファネルとは?

ファネルとは漏斗(ろうと)を指し、逆三角やすり鉢状の形をしています。マーケティングファネルはAIDMAという、”一般的な顧客は商品の認知に始まり、欲求や記憶、購買までと至る”という消費者の購買決定プロセスから発展してできました。

ファネル分析は顧客の認知から購買までを分析するのに役立ちます。ユーザー数は、「次のプロセスへ進む」か「離脱」をし、認知から購買に至るまでの過程で減っていきます。その推移を図式化するとすり鉢状の形になりファネルができます。離脱する人数が多い要素などを対策することで、ユーザーの欲求や意志に添えたマーケティングができているか測ることが可能です。

また昨今は、マーケティングのファネルと営業部隊を連動させることで成果を挙げる企業が増えました。ファネルを活用することで顧客を育て、購入するきっかけ作りからファンになってもらうまでの一連の行動を把握できます。

マーケティングファネルを活用するメリット

マーケティングファネルは顧客の購買前と後まで一連の流れを分析できる特徴を持ちます。これを活用する主なメリットは次の通りです。

・顧客の購買行動を理解できる
・プロダクト・マーケット・フィットを追求できる
・インサイドセールスへ発展できる

マーケティングファネルは複数存在する

マーケティングファネルには主に「購買ファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3種類が存在します。

購買ファネル(パーチェスファネル)

AIDMA(アイドマ)モデルを活用した、(Attention)興味(Interest)欲求(Desire)記憶(Memory)行動(Action)の順で行われる一般的な顧客の購買活動を図式化したものです。

インフルエンスファネル

購買ファネルは購入までをモデル化していましたが、インフルエンスファネルでは購入後の行動を図式化しました。現代のインターネット社会は購入後のユーザーレビューが他の消費者に影響を与える等の特徴を持っています。そのため購入をゴールとするのではなく、購入後も顧客を理解するためにこのモデルが誕生したのです。

ダブルファネル

購買ファネルとインフルエンサファネルを足し合わせたものです。お互いの良い点を持ち、顧客の購買行動を一連の流れを追って分析することが可能です。

購買ファネルとは?

購買ファネルとはマーケティングで有名なAIDMAを発展して生まれました。顧客がプロダクトを知ってから購入するまでの行動分析に最適です。

マーケティングファネル -TOFU,MOFU,BOFU

購買ファネルは大きく3タイプに分けられる

購買ファネルは認知から購入に至るまでを分析できます。基本的に購入に至るまでの各ステップでユーザー数が減ることから、大きく3つに分類して分析します。

TOFU

目  的:自社コンテンツを見つけてもらい非接触者を潜在顧客に変換する
役  割:認知・興味
ポイント:いかに問題を解決できるコンテンツを用意し発信する

MOFU

目  的:リピート促し、さらに専門情報で購入意志を固めてもらう
役  割:検討・意志
ポイント:いかに継続的な交流に誘導できるか

BOFU

目  的:購入に向けた動機付けを行い評価を得る
役  割:評価・購入
ポイント:いかに成功イメージを明確化しタッチポイントをフレンドリーに

認識(TOFU)

顧客は知っているプロダクトの中から購入するモノを決定します。そのため対象顧客がプロダクトを知ってるかなどの認知率を重視しましょう。

効果的なコンテンツや施策

  • プレスリリース
  • SNSで発信する
  • 必要に応じた広告
  • インフルエンサー交流
  • オウンドメディアで発信する
  • SEO対策
  • 最低限の個人情報取得(名前とメールアドレス) など

興味・関心(MOFU)

次はプロダクトやユーザーへの価値などを発信し、興味や関心を持ってもらいます。ユーザーの課題やメリットなどを伝え、理解してもらいましょう。

効果的なコンテンツや施策

  • SNSで交流をする
  • 顧客インサイトの取得
  • ブログ購読やSNSフォローなどを促す など

比較・検討(MOFU)

対象顧客に本格的なプロダクトの導入を検討してもらいましょう。それぞれの顧客が抱える課題にあったコンテンツやワークフローの構築が必要です。顧客に寄り添うことで見込み客になってもらいましょう。

効果的なコンテンツや施策

  • ホワイトペーパーの提供
  • セミナーやウェビナーの開催
  • デモンストレーションやトライアルキャンペーン
  • パーソナライズされたサイト、コンテンツの提供
  • ユーザーに合わせたワークフローの構築  など

購入(BOFU)

プロダクトの価値を理解した顧客はそれを購入します。顧客から見れば購入がゴールではなくスタートラインです。そのため今後も連絡が取りやすいよう連絡や問い合わせがしやすいよう配慮します。

効果的なコンテンツや施策

  • 製品やサービスの詳細情報と関連情報の提供
  • オファー明確化
  • 連絡先の明確化と問い合わせのしやすさ

共有(BOFU)

プロダクトを使用した顧客の感想は企業や他の顧客にとっても重要なものです。早期の成功体験や顧客満足度が高いと、レビューや紹介を得やすくなります。

効果的なコンテンツや施策

  • レビュー促進
  • 早期の成功体験
  • 競合情報の収集
  • 他の顧客を紹介いただく

インフルエンスファネルとは?

インフルエンスファネルとはプロダクトの購入後に焦点を当てた顧客行動の分析ツールです。

顧客にとってプロダクトの購入がゴールでなく課題を解決するスタートです。プロダクトの満足度が高いと、リピート購入や他の顧客を紹介する可能性が高くなります。また顧客がインターネット上で高評価を発信することで、他の顧客の購買を促進してくれます。

インフルエンスファネル

継続

プロダクトの購入の次は、継続的に購入するよう働きかけ、より多くの買い物をするよう顧客を育てます。既存顧客の維持は新規顧客の開発と同じく重要です。一度だけの取引で終わることの無いようリピート購入を促進しましょう。

忠誠

このフェーズで顧客はブランドの選別を行います。顧客はプロダクトをパーソナライズし、自分たちによりフィットした形でプロダクトを購入、利用できるようにしていきます。そのためマーケターはコミュニティの開発や、顧客との繋がりを育てることを意識しましょう。

共有・紹介

高い満足度を獲得し、プロダクトに忠誠心を持っていると共有や紹介してくれる可能性が高いです。ポジティブなレビューは他の潜在顧客への購買促進となり、ビジネスの紹介は大きな飛躍へとつながるでしょう。

発信

プロダクトを利用したユーザーの声は追い風になります。なぜなら企業の宣伝で得るより、知り合いからの情報の方が重要に思えるからです。ユーザーを顧客からプロダクトを発信するエバンジェリスト(伝道師)に変化させることで、新たなリードの獲得や見込み客の促進などが期待できます。
このようなマーケティング手法をバイラル・マーケティングと呼びます。

ダブルファネルとは?

ダブルファネルとは、顧客の購買行動をトータルで分析し、顧客が顧客を生むマーケティング手法に進化させる手法です。フェーズが進むごとに人数が減り、売上が増えるイメージで行うと良いでしょう。

ダブルファネルとは

4つのフェーズが存在する

ダブルファネルは基本的に4つのフェーズに分けて分析します。対象顧客にプロダクトを知ってもらうプロモーションフェーズ、見込み客を選別してセールスするアクイジションフェーズ、購入達成をした顧客のリピートやクロスセル・アップセルを推進するリテンションフェーズ、そして最後は育成した顧客がエバンジェリストとなって他のユーザーや知人などに紹介してもらうインフルエンスフェーズです。

ファネルとカスタマージャーニーの違い

マーケティングファネルとカスタマージャーニーは似ています。どちらも顧客の購買行動を追うからです。目的に応じて使い分ける必要があります。

マーケティングファネルは全体の流れを理解するのに役立ちます。
一方、カスタマージャーニーは各ステップにおける「顧客の態度をいかに変化させるか」に重点を置いています。そのためマーケティングファネルより情報量が多くなります。

B2Bファネルと、B2Cファネルの違い

BtoBとBtoCでは次の性質の違いがあります。

B2CB2B
顧客生活者企業
顧客数多い少ない
購入者と利用者同じ異なる
関与者1人複数かつ多層
決定方法と理由独断と好意協議と経済的合理性
購買目的所有・体験・課題解決課題解決
思考情緒的論理的
検討期間短期間長時間
個別性ない、もしくは少ない多い、オーダーメイト
購買単価少額高額
スイッチ容易困難
決定要因少ない・単純多い・複雑
情報量情報は多い・買い手で判断可能情報は少ない、買い手で判断困難
購入イメージ容易困難

BtoCの場合、購買プロセスや動機が確立せず、あやふやで、分析が困難になるケースが多いです。購買プロセスや理由が合理的なBtoBの方がファネル分析に適しています。

営業サイドとの協力が重要

マーケティングファネルは、営業活動においても効果を発揮します。なぜなら顧客の購買行動を理解することで、どのタイミングで営業活動を行うと効果的なのかが分かるからです。

マーケティングファネルを利用して、今までの営業活動から内勤型のインサイドセールスが誕生してきました。営業サイドと連携することでマーケティングファネルの活性化が期待できます。

現代ではマーケティングファネルは機能しない?

2009年マッキンゼーが発表した「The consumer decision journey」によれば、マーケティングファネルは機能していないと言われています。その理由を紹介していきます。

機能しないと考えられる理由

マーケティングファネルが機能しないと考えられる理由は次の通りです。

  • 消費者の価値観の多様化
  • 需要の多様化で導線が複雑に
  • シェアリングエコノミーの台頭
  • インターネット購買モデルの変化
  • 消費者とのコミュニケーション機会の増加
  • 買いたい衝動で起きるパルス型消費行動の発見

BtoCにおいては、購買プロセスの多様化によりマーケティングファネルが機能しないと考えられています。一方でBtoBにおいては、合理的な判断によって購買行動が行われるため、BtoCと比べファネル分析が活用しやすいです。

マーケティングファネルに代る2つの手法

マーケティングファネルはユーザーの購買分析に非常に重要です。しかし消費者の行動や社会が変化するとマーケティングファネルでは捉えきれない部分がでてきます。そのため以下の2つの方法がマーケティングファネルの代わりになるフレームワークとして注目されています。

マッキンゼーが提唱した新たなカスタマージャーニー

顧客は自分自身でインターネットにアクセスを行い、情報を得ることが当たり前になっています。CEBの調査によるとBtoBの場合、57%の顧客が自分でファネルを通過していることが分かっています。

マーケティングファネルの代わるものとして「McKinsey’s consumer decision journey(マッキンゼーの消費者の意思決定の旅)」があります。マーケティングファネルが直線で購買行動を理解するのに対し、これは顧客購買行動を循環で表します。

アジャイル・マーケティング

アジャイルとはソフトウェア開発で用いられていたマネジメント手法です。計画や業務を短期間のフェーズに分割し頻繁に見直しと改善を行います。

アジャイル・マーケティングはスピード感に強みがあります。変化の激しいデジタル社会での適応力を獲得し、顧客流出の兆しを早期に察知できます。

まとめ

ここまでマーケティングファネルについてご紹介してきました。マーケティングファネルを意識することで各ファネルにおけるユーザーの購買態度の変化の理解や、継続的な顧客関係を築けます。ただし確立されたファネルは存在しないため、業態や社会などに合わせて自社にあったファネルを利用しましょう。

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【保存版】マーケティング戦略のキホン-主要フレームワークと事例、注意点まで https://dev.infohub.jp/media/2020/06/05/2620/ https://dev.infohub.jp/media/2020/06/05/2620/#respond Thu, 04 Jun 2020 23:00:00 +0000 https://infohub.jp/?p=2620 消費者の嗜好が多様化してきたことやインターネットの普及など、市場が大きく変化したことにより...

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消費者の嗜好が多様化してきたことやインターネットの普及など、市場が大きく変化したことにより、大企業や中小企業、スタートアップ含め、どのような企業にもマーケティングの戦略は重要です。本稿では、マーケティング戦略とはなにか?戦略を進めるためのステップなど解説します。

マーケティング戦略とは?

マーケティング戦略の前に、マーケティングとは何かをご紹介します。

マーケティングとは、有識者や団体によって様々な定義がありますが、様々な定義に共通している要素は「売れる(儲かる)仕組みを作る」ということです。決して広告や調査だけの一面的な要素ではなく、様々な要素を組み合わせて売れる仕組みを作ることです。

この売れる(儲かる)仕組みを作るために、価値を、誰に、どのような手法を用いて、「売れる(儲かる)仕組みを作る」のかを策定するのが、マーケティング戦略の役割です。

経営戦略とマーケティング戦略の違い

このように聞くと、経営戦略と何が違うのだろうと思う方もいるかと思います。ここで、経営戦略とマーケティング戦略の違いをご紹介します。

経営戦略とは、中長期的にビジネス全体の持続的成長のための経営資源を最適に配分するための戦略です。

例えば、人事戦略・財務戦略などが含まれ、新規参入や事業撤退など大きな判断をするための戦略です。

それに対して、マーケティング戦略は企業が顧客にプロダクトを売るための仕組みを作るための戦略に集中します。マーケティング戦略は、経営戦略を決めるための重要な戦略の一部です。

なぜマーケティング戦略が重要なのか

なぜ、これほどマーケティング戦略が企業にとって重要になってきているのでしょうか?マーケティング戦略が重要になっている理由は、大きく3点あります。

消費者の多様化

まず1点目は、顧客の多様化です。以前の日本では、「3種の神器(冷蔵庫・洗濯機・テレビ)」や「3C(カラーテレビ・車・クーラー)」など消費者は同じものを求めるなど価値観が単一的でした。そのため、企業は商品を作り、販売していれば売れていました。

しかし、モノが溢れてきたことやインターネットの普及に伴い、消費者の価値観が多様化してきた結果、従来どおりの方法ではモノが売れなくなりました。そこで、消費者の理解や差別化などを検討するマーケティング戦略が注目れるようになりました。

消費者と企業の接点増加

2点目は、消費者との接点が増えたことです。以前は、テレビや新聞など企業が消費者にコミュニケーションできる媒体は限られていました。

しかし、WEBサイトやアプリなど様々な媒体の出現や、SNSが普及した結果、これまで以上に企業には消費者とのコミュニケーションが求められるようになりました。

このように複数の媒体において、どのように企業がメッセージを発信していくのか、消費者との関係を作っていくのかを検討する上で、マーケティング戦略が必要となってきています。

消費者属性行動の把握

3点目、デジタル化が浸透することに伴い、消費者の情報がより正確に把握できるようになったことです。

以前は、消費者向けにコミュニケーションをしようとしても、F2、M3 などの大枠でしか消費者を捉えられませんでした。

しかし、IT化が進み、消費者一人ひとりの細かな情報が取得できるようになったことで、ユーザー毎に最適化されたコミュニケーションが可能となりました。その結果、より効率的に、高い精度のマーケティング戦略が一層求められてきています。

マーケティング戦略を考える上で重要なステップ

それでは、ここから実際にマーケティング戦略を進めるための重要なステップをご紹介します。実際のステップを進めるときに有効なフレームワークは次章でご説明します。

マーケティング戦略は、環境分析から戦略の再実行までを一つのまとまりと考える

STEP1:PEST分析でマクロ環境分析

PEST分析は政治(Politics)経済(Economy)社会(Society)技術(Technology)が由来しており、マクロ環境分析の際に用いられるフレームワークです。

Politics(政治):薬事法などの法規制

Economics(経済):株式市場や経済動向

Society(社会):外出自粛などのライフスタイルや社会動向

Technology(技術):5GやIoTなど技術革新

より広い視点で分析し、3年後など中期的なトレンドを掴むことができます。

STEP2:3C分析でミクロ環境分析

PEST分析にて中長期的なトレンドについて理解したら、自社・消費者・競合の3C分析をします。

ここでは、どのような目的で事業をするのかを確認する程度にしておき、消費者と競合の理解を十手店手系に行いましょう。詳細な自社の分析はSWOT分析に落とし込み、解釈していきます。

企業が持続的に発展していくためには、顧客と競合企業の理解が欠かせません。これらを理解することで余分な競争を避け、自社の強みを生かした事業を展開していくことができます。3C分析はビジネス上で必ず関係する自社・消費者・競合を抜け漏れなく分析することができ、自社の成長の機会を探るのに有用なフレームワークです。3C分析とは?3C分析とは1982年に大前研一が著書『The Mind of the strategist』にて発表したフレームワークです。3C分析はビジネス上で関係する自社(Company) 市場・消費者(Consumer)競合他社(Competitor...
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STEP2-2:SWOT分析でマクロ・ミクロ環境を俯瞰する

SWOT分析は「市場と競合の分析を通じて、自社が生きる戦略」を見つけるフレームワークです。具体的には以下の表をご覧ください。

SWOT分析には、内部・外部要因、ポジティブ・ネガティブ要因があることも意識する

これまでのPEST分析や3C分析で積み上げたファクトと自社の状況を勘案し、優れたアイデアを生み出すことで、成長する機会を見つけるのがSWOT分析です。

また、より粒度の高い分析を可能にする「クロスSWOT分析」も有効です。
詳細は以下の記事をご覧ください。

マーケティングを行っているとSWOT分析というのをお聞きになったことがあるかもしれません。SWOT分析には企業分析というイメージがあるかもしれませんが、ビジネス課題や市場機会を検討する手法としても有効です。本稿では、SWOT分析の基本から市場機会を検討する際に有効なクロスSWOT分析、テンプレートを紹介します。是非参考にしてください。コンテンツサマリーSWOT分析とは、内部や外部環境分析をするためのフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの点から分析するこ...
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STEP3:STP分析

SWOT分析を終えたら、分析結果をもとにマーケティングの基本戦略となるSTP分析に落とし込みます。

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、ポジショニング(Pogistioniing)というマーケティングの大きな方向性を決め込むことです。

セグメンテーション(市場の細分化)

市場環境が把握できたら、多様な要素から構成される市場を自社プロダクトが最も適しているターゲット市場に細分化します。

この市場の細分化をセグメンテーションと呼びます。市場は様々な消費者の塊です。例えば、車市場だけでも「運転好き」、「家族との旅行用」、「近場の運転に使いたい」など様々なニーズがあります。

このようなニーズをひとくくりにして、車が欲しい人と捉えてしまうと自社のプロダクトを求めていない人までをターゲットとすることになります。

これを避けるために市場を細分化することで、より深いコミュニケーションをすることが可能です。

「せっかくマーケティング戦略を立案したけど、費用対効果が悪い」などの悩みがある方もいるのではないでしょうか。その原因として、顧客を捉え違えたり、市場が変化してしまったなどの理由があると思います。そこで重要となるのが、マーケティングセグメンテーションです。本稿ではマーケティングセグメンテーションの基本的な説明と、効果的なセグメンテーションを行うポイントについて解説します。この記事のまとめセグメンテーションとは、ターゲティングを行うために「市場や消費者を一定の塊(セグメント)に分類する」ことであ...
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ターゲティング

アプローチする市場が決定できたら「自社が理想とする顧客像を見つけ出すターゲティング」をします。

このプロセスで顧客な詳細なプロフィールを記載したペルソナを作る企業が多いです。

市場は多種多様な人から構成されており、それらに対して全方位的に施策を展開することは、効率的な予算の使い方ではないからです。

マーケティング戦略の中でターゲティングはとても重要です。プロダクトやサービスがいくら良くても、ターゲティングを間違えるとビジネスの成長曲線は鈍化します。本稿では、ターゲティングのやり方、ターゲティングを実施するときのポイントが知りたいという方に向けて、ターゲティングの基本からターゲティングの成功事例を紹介します。この記事のまとめターゲティングとは、市場の中から狙う顧客を設定することです。ターゲティングを行うことで、限りある資源で利益の最大化をすることを狙います。ターゲティングは、STP分析の一部...
【解説】ターゲティングとは?設定方法からマーケティング戦略での活用まで - INFOHUB-media

ポジショニング

ターゲティングにより自社がターゲットとする明確な顧客像を理解したら「顧客に、自社のプロダクト・サービスがどのように魅力的であるかを認識させるための活動」を行います。

これがポジショニングです。

顧客は競合企業と比較して購入するプロダクトを選定するため、自社のプロダクト・サービスが競合と「何が違うのか」といった差別化をする必要があります。

顧客を「私はこれを求めていた」「この商品が欲しい」と思わせる差別化をし、そのブランドイメージを顧客に浸透させましょう。

マーケティング・ポジショニングで目指しているのは、顧客に「この商品は他とは違う」と認知し購入してもらうことです。そのために、自社商品のユニークなポジションを分析していきます。自社のブランドのイメージを顧客に浸透させたい、競合とぶつかって成長曲線が鈍化した、このようなときに再定義したいマーケティング・ポジショニング。本記事では、他社との関係の中で、自社の価値をどのように置けばいいのか、というポジショニングの方法論を、ポジションマップの作り方、成功事例を含めて網羅的にまとめています。この記事のま...
【マーケティング入門】ポジショニングとは?活用方法と4つの注意点を徹底解説 - INFOHUB-media

STEP4:マーケティングミックスの検討(4P分析・4C分析)

4Pは企業目線なのに対して、4Cは顧客目線で構成されています。

STP分析を終えたら、マーケティングミックスを検討します。
自社のプロダクト・サービスの価値ををどのように消費者に届けるのかを検討するフェーズと考えましょう。

ここではコミュニケーションだけでなく、物流やプロダクトの設計など、顧客との接点となるあらゆる要素を考慮して手法を策定しましょう。

近年では、マーケティングミックスは4Pと4Cをベースに立案するのが一般的です。

4Pは製品戦略(Product)価格戦略(Price)流通戦略(Place)販促戦略(Promotion)を指し、
4Cは顧客価値(Customer value)顧客にとってのコスト(Cost)利便性(Convienece)コミュニケーション(Communication)を指します。

4Pは企業目線、4Cは顧客目線から構成されており、両者を活用することで主観と客観を持ち合わせた施策を実行できます。

マーケティングミックスは、事業の成功に欠かせないものですが、「マーケティングミックスの歴史」「マーケティング戦略におけるマーケティングミックスの位置付け」「なぜマーケティングミックスするのか」などを理解している方は少ないのではないでしょうか。本日はマーケティングミックスについて体系的に学べる、またそれを実践できるよう解説していきます。また現代は急速なIT化やEコマースの台頭など変化の激しい社会でもあります。社会の変化に合わせてマーケティングも日々進化しています。マーケティングミックスの基礎知識に...
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マーケティング戦略に効果的なフレームワーク・考え方

具体的にマーケティング戦略を進めていく上で有効なフレームワークをご紹介します。

PMF検証

PMFとはProduct Market Fitの略でありNetscapeの創始者マーク・アンドリーセンの格言であり、スタートアップなどには欠かせない考え方です。

いくら商品が良くても、市場が小さければ意味がないですし、市場がいくら大きくても満足させるような商品がなければ意味がありません。

「良い市場を狙い、かつ、その市場を満足させることができる製品を持っている状態」がマーケティングにおいても重要です。

PMFを検証するためには、先行指標調査などの手法があります。

先行手法調査では、例えば「あなたは、このプロダクトが使えなくなったらどう感じますか?」と聞いて、4割以上が「とても残念に思う」と回答したらPMFが達成されていると考えられます。

市場分析などを進める上で、自社のプロダクトがPMFしているのかをしっかり検証しましょう。

5フォース分析

5フォース分析は、外部環境分析の特に、事業環境を分析するためのフレームワークであり、マイケル・ポーターによって提唱されたものです。

「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの要素が市場の収益性に影響するというものです。それぞれの力が強いほど、市場の収益性が低いと分析されます。

進出する市場が良い市場であるのかを判断する材料として、PMF検証などと合わせて活用すると有効です。

BCGマトリックス

BCGマトリックスとは、ボストンコンサルティンググループが発案したフレームワークです。

マーケット成長率とマーケットシェアを切り口にプロダクトのポジショニングを策定して、中長期的計画を立案するのに活用します。サービスを「負け犬、問題児、金のなる木、花形」にマトリックスで整理し、戦略の検討が行えます。

BCGマトリクス

例えば、負け犬では事業の撤退の検討、金のなる木では、どのように安定した成長を促進するのかの戦略を検討します。このように、BCGマトリックスは戦略の方向性を整理するためのフレームワークとして効果的です。

代表的なマーケティング戦略とその事例

ここでは、具体的な戦略の代表例、事例をご紹介します。

徹底した差別化を図る「弱者の戦略」

弱者の戦略とは、徹底的に差別化を図る戦略です。戦略のポイントは、局地戦、1点集中です。大企業が進出していないニッチ市場に特化し、その市場に集中し大企業の弱点を攻撃するというものです。

事例

弱者の戦略で成功を収めた事例として有名なのがアパホテルです。

従来のホテルは駅前の便利な場所で、広いスペースに立地していました。しかし、そのような場所は地価が高いため、宿泊料が高くなります。それに対し、アパホテルは通常のホテルでは立地が難しい間口が狭い土地などを活用することで、従来のビジネスホテルでは難しい低価格な宿泊料を実現しました。

その他、フリーチェックアウトシステムや社長を活用した広告など、他のホテルと徹底的に差別化するサービスやコミュニケーションを行うことで現在の成功を収めています。

特定地域内での支配戦略-「ドミナント戦略」

ドミナントは「支配的」「優位的」と訳されますが、自社の支配的優位性をかつよした戦略を行うものです。例えば、ある地域に集中して店舗を展開することにより、物流などの効率化を図り、地域内シェアを拡大することです。

事例

ドミナント戦略で有名なのはセブンイレブンです。セブンイレブンは、2013年時点で業界2位のローソンより店舗数が3000店舗も多かったが、出店エリアは40都道府県に限定しました。それに対してローソンは全国に展開していました。このように、出店エリアを限定することにより、そのエリア内でのシェアを高め、物流の効率化を進めることで成長しました。

コンビニの場合、エリアは県レベルではなく、さらに狭い区・町レベルで検討されています。

単一メーカーによる効率的な市場支配-「マルチブランド戦略」

マルチブランド戦略とは、同一市場において複数のブランドを展開することにより、単一メーカーで市場のカバー力を高め、市場の活性化をさせる戦略です。しかし、一つの市場で複数製品を展開してしまうため、カニバリズムが懸念されます。

事例

マルチブランドを展開している企業としては、ネスレ、P&G、コカコーラ等があげられます。例えば、ネスレはミネラルウォーターだけで「ペリエ」「ヴィッテル」「コントレックス」など6ブランドを展開しています。

マーケティング戦略を構築する上で注意しなければいけないこと

代表的な戦略をご紹介してきましたが、マーケティング戦略を進める上で注意すべきポイントをご紹介します。

製品・サービスのマーケティングと営業への適性

マーケティングと営業は補完関係にあります。例えば、マーケティング活動が弱い場合は、営業部隊の頑張りが必要になります。その一方で営業が弱いエリアに対しては、マーケティング活動のサポートが必要になります。

例えば、TVCMが放映されることが営業をする上での口説き文句になる場合もあります。このようにマーケティングと営業は離すことができない関係です。

しかし、全てのプロダクトが同様のバランスではありません。C向けなのかB向けなのか、展開する市場規模により、マーケティングと営業のバランスは変わります。自社の商品はどちらの要素が重要なのかの適性を判断しましょう。

「万能」は目指すな

マーケティング戦略では、取捨選択が重要です。市場全てを狙おうとして広く顧客をターゲティングしても、結果的にはどこのターゲットも取れないかもしれません。マーケティングは「万能」ではありません。

市場をしっかり絞り込み、狙った市場を確実に取りに行く事が重要です。

マーケティング予算は多くのチャネルに分散させる

3点目は、マーケティング予算を分散させることを意識しましょう。今までの経験で、TVCMだけに予算を使うことや過去と同じ施策を展開するといったことを検討するかもしれません。

しかし、マーケティングに重要なのは、PDCAを回しながら改善していくことです。

マーケティング予算を配分する上でも、どのチャネルに効果がありそうなのか試すことが重要です。

そのためには、なるべく多くのチャネルに予算を分散し効果を検証しつつ、レバレッジが見つかったら、集中するということを意識しましょう。

データは神よりも正しい

ウェブでの行動データなどを始め、IoTが普及することで現在消費者の様々な行動のデータが取得できるようになっています。

マーケティングを進める上で、どうしても勘や経験に頼ってしまうことがあるかと思います。しかし、データほど消費者のリアルを語るものはありません。そのため、常にデータをどのように咀嚼し、活用するのかを意識しましょう。

マーケティングの戦略論を勉強したい方に2冊おすすめ書籍を紹介

最後にマーケティング戦略論を学ぶための参考の書籍をご紹介したいと思います。

マーケティング戦略論の本を選ぶポイント

書店のマーケティングエリアを見ても、毎日新たな本が登場しており、どの本を選ぶのか悩むかと思います。

変化のサイクルが早い=流行りの戦略を学んでもすぐに使えなくなる

消費者から新たな情報が取得できる様になった結果、市場構造の理解が把握でき、新たな戦略が開発されています。新たなトレンドをしっかりフォローすることも重要ですが、ここには一過性があります。

トレンドの戦略を学んでも、来年には使えなくなるかもしれません。しかし、伝統的な戦略はいまでも語られ、使われ続けているからこそ残っています。このような伝統的な戦略をしっかり学ぶことを最初はおすすめします。

伝統的な戦略論を学ぶ-グロービスMBAマーケティング(ダイヤモンド社)

最初に紹介するのは、グロービスMBAマーケティングです。グロービス経営大学院のマーケティングの参考書であり、体系的に伝統的なマーケティング戦略がまとめてあるため、初心者でもわかりやすく理解することができます。

最新の戦略論-マーケティング戦略(有斐閣)

幅広くマーケティング戦略がカバーされており、伝統の戦略から最新の事例も含む最新の戦略論まで紹介されております。最新のマーケティング戦略まで学ぶのに有効な本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?マーケティング戦略は、多様化し複雑化している現代の市場において欠かせない考え方になっています。市場と顧客を理解し、自社ならではの価値をみつけるのに有効です。まずは自社の強みや競合状況などの市場分析から初めてはいかがでしょうか。

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新商品のマーケティング戦略を練りたい、既存製品の売上を拡大したいといったときに、それに繋がる要因を明らかにしておくことが重要ですよね。その「儲かる仕組みを作るための情報」を得るためには調査が必要です。本稿ではその調査にあたる、マーケティングリサーチについて、定義から詳細な手法までご紹介していきます。

そもそもマーケティングとは?

マーケティングとは、「売れる(儲かる)仕組みを作る」プロセスです。決してなにか一つの要素だけではなく、市場調査・商品開発・流通・広告宣伝など様々な要素を組み合わせて、お客様のニーズにあったプロダクトを提供することで利益を上げるための仕組みを作り上げることがマーケティングです。

マーケティングに興味がある、なんとなく知っているけどちゃんと説明できないという方も多いかと思います。実は、マーケティングの定義は専門家や団体でも様々あります。本稿では、マーケティングとはなにか、マーケティングの歴史、代表的なマーケティングの手法や最新のトレンドまで一挙ご紹介します。ぜひご参考にしてください。マーケティングとは「儲かる仕組みを作る」こと最初にマーケティングとは、何なのかの定義をご紹介します。マーケティングとは、調査や広告宣伝という風に認識している方も多いかと思います。しかし、定...
マーケティングとは?知っておくべき歴史や戦略、AI時代に必要なこと - INFOHUB-media

マーケティングリサーチとは?

マーケティングリサーチとは、企業が直面するマーケティング課題に対して、効果的な意思決定をサポートするための科学的な調査・分析のことを指します。

例えば既存商品の売上拡大にあたり「この商品はどんな人をターゲットとすべきなのか」「この商品は利用者に満足されているのか」「いくらで販売するのが良いのか」「消費者が自社ブランドに抱いているイメージは競合他社とどう違うのか」など、様々な疑問や課題を持っており、これらを明確にし、定義づけ、解決する手助けとなるのがマーケティングリサーチです。

課題の対処に必要な情報を特定し、情報収集の方法を設計し、データ収集プロセスを管理・実行し、結果を分析することで、課題解決のための具体的なアクションに活用します。

マーケティングリサーチを通じて、消費者は自らの声を企業に届け、また企業側はより良い商品・サービスを届けるので、企業と生活者の架け橋となるプロセスとも言えます。

1920年代から続くマーケティングリサーチの歴史

マーケティングリサーチの概念は、アメリカで広告が導入されたのとほとんど同時期である1920年代後半に、ダニエル・スターチ(Daniel Starch)により開発されました。当時、コピーライターは広告がどうあるべきかを考えて書き、広告を公開し、読者が広告の情報に基づいて行動することを期待していました。

1930年代初頭に、ダニエル・スターチは「効果的な広告は、見られ、信じられ、覚えられ、そして行動されるものである」という理論を提唱しました。その後まもなくして、彼は調査会社を立ち上げます。

街中の人々に特定の雑誌を読んでいるかどうか聞き、読んでいればその雑誌の中でどの広告を覚えているかをインタビューし、そのデータ収集後には雑誌の発行部数とインタビュー結果を比較して、それらの広告がどれほど効果的に読者に伝わっていたのかを分析しました。

次第に多くのマーケティングリサーチ会社が出現し、ダニエル・スターチの手法をさらに改善していきました。1980年代後半には、ロナルド・リンドル(Ronald Lindorf)が米国で最大のマーケティングリサーチ会社であるウエスタン・ワッツ社を設立。

リサーチには電話回線を使うなど、当時の最新のテクノロジーを活用しました。そのため、路上で人々にインタビューをすることやフォーカスグループを組織する必要がなくなり、電話により必要なデータ全てを収集できるようになり、それに伴ってデータ数は大幅に増加しました。

そして2000年代になるとインターネットを介したリサーチが始まりました。電話でのデータ収集とは異なり、インターネット上では関心のある個人であればだれでも参加できるため、データの品質はさらに向上しました。

マーケティングリサーチの重要性

マーケティング担当者にとっての最も重要なことは、「適切な製品を、適切な場所で、適切な価格で、適切な人に提供すること」です。その上で、消費者の心理を知ることは、自社製品を利用し続けてくれる顧客を増やすために必要です。マーケティングリサーチは、これを実現させるのに有効なアプローチだと考えられます。

マーケティングリサーチは、以下9つの点で効果的な活用が期待できます。

1. マーケットの課題と機会の特定

既存および新製品の新しい市場機会を特定するのに役立ちます。市場シェア、競合他社、顧客満足度、販売実績、流通経路に関する情報を把握し、自社の問題解決に役立てます。

2. マーケティング戦略の策定

マーケットは国内だけでなく国外にも広がっており、競争が激しくなっています。消費者ニーズを予測することは難しく、幅広い市場においてセグメンテーションは複雑化してきています。マーケティングリサーチを行うことで、それらの課題について把握するだけでなく、マーケティング戦略の策定も行うことができます。

3. 消費者のニーズとウォンツを理解する

マーケティングは顧客中心になってきている反面、特に大規模生産においては流通のマルチチャネル化により生産者と仲介者の間に情報のギャップが存在します。マーケティングリサーチは、消費者からの情報を収集し、情報のギャップを埋め、顧客思考のマーケティング施作を行なっていくのに役立ちます。

4. 効果的なコミュニケーションミックスを分析する

マイクロマーケティングの時代ではコミュニケーションが重要な役割を果たします。マーケティングリサーチではプロモーション調査を実施して、メディアミクス、広告効果、および統合コミュニケーションツールを分析します。このような分析は、市場において自社製品を効果的に宣伝するのに役立ちます。

5. 営業活動を改善する

マーケティングリサーチは、市場内の企業のパフォーマンスを分析・評価するために使用されます。また、自社の営業活動の有効性についても分析します。これらの情報は、自社の営業活動の短所を特定し、他の流通方法の検討にも役立ちます。

6. 販売を予測する

生産者にとって最も困難なのは、最適な在庫数を保つことです。ただし、生産は需要を見越して行われるため、販売数に対する数学的な予測が必要になります。マーケティングリサーチは、このような販売予測・売り上げ予測に役立ち、またマーケティング計画の修正にも利用されます。

7. ブランドを活性化する

マーケティングリサーチは、既存のブランドポジションを調査するために利用されます。ブランド価値を測定し、ブランド拡張の可能性や、既存ブランドを変更する可能性を探ることで、継続的な顧客の増加を可能にします。

8. 新製品のスムーズな導入を促進する

マーケティングリサーチは、新製品を小規模にテストするのに役立ちます。新製品に対する消費者の反応を確認し、適切なマーケティング戦略を構成することができます。新製品に対する顧客の課題を明らかにし、新製品導入に伴うリスクを管理することができます。

9. マネジメントの意思決定

マネージャーはマーケティングリサーチを通じて得られる最新の情報を用いて、顧客ニーズとウォンツ、市場の状況・変化、競合に関する意思決定をすることができます。

マーケティングリサーチの主な4つのタイプと特徴

マーケティングリサーチの手法には主に4つのタイプがあります。

探索的リサーチ...現状を把握し「仮説を立てる」際に用いる
記述的リサーチ...実験を行い「数量を把握する」際に用いる
因果的リサーチ...仮説を検証し「因果関係を確認する」際に用いる
予測的リサーチ...マーケットを「予測する」際に用いる

以下で、それぞれのタイプの解説をしていきます

探索的リサーチ

現状を把握し「仮説を立てる」ための調査で、特別な課題がなく、何か新しい気付きを得たい場合に利用することができます。

社内外で利用可能な情報の利用、観察調査の実施、専門家によるコンサルティング、マーケットや調査結果から得られるフィードバックなどを用いて行なわれます。

このリサーチで得られる結果は、あくまで仮説・アイデアです。課題解決の真の要因であると決定とする前に、別途検証が必要です。

記述的リサーチ

実験を行い「数量を把握する」ための調査で、仮説に対し実際にどれぐらい売れるのかといった数量を知りたい場合に利用することができます。

例えば、製品の見込み顧客は誰なのか、製品の消費方法はどんなものか、人口の何%がその商品を利用しているのか、需要の予測は、潜在的な競争相手は誰か、を調査します。

アンケート調査や販売、広告を試験的に運用して費用対効果を図るといった方法で行われます。

因果的リサーチ

仮説を検証し、その因果関係が正しいのかどうかを確かめたい場合に利用します。

例えば、製品パッケージの変更により製品の耐久性にどのような影響があるのか、広告A案とB案ではどちらが有効かといった調査です。

仮説に沿った実験を行った上で、その因果関係を明らかにするための分析をします。

予測的リサーチ

市場の成り行きを「予測する」ための調査で、特定の市場の変数を予測するのに効果的です。

例えば、履歴データに基づいてAIなどを用いた将来の売り上げ予測や成長予測、テストマーケティングを行った上で新製品の成功を予測する方法などが挙げられます。

収集・分析するデータのタイプによってさらに分けられる

マーケティングリサーチは、「定量調査」と「定性調査」の2つの調査に分けられます。それぞれの調査の目的と手法をご説明します。

定量調査

定量調査は、明確な数値で表される「What、なに」を知る調査です。事実と統計データを扱い、顧客の行動・態度・好みなどを数値で集計し分析する調査手法になります。

たとえば「顧客はどのぐらいの頻度で製品を購入するのか」「人口の何割がオンラインで就職活動をしているのか」「特定のプロモーション戦略が導入された場合、何人の顧客が製品を購入するか」といったデータを回答者から収集します。

定量調査は、電話調査、個人面接、Webでの調査などにより行われます。

定性調査

定性調査は、顧客の感情、態度、意見、思考など、数値で表現できない「How・Why、どのように・なぜ」を知る調査です。人々の思考・感情や、彼らの行動に影響を与える要因を明確にする目的で行われます。

例えば、「その製品についてどう思うか」「その製品のどこが好きか、またはどこが嫌いか」「新製品への期待はなにか」「競合他社の製品についてどのように感じているか」「購入に際しての障壁はなにか」について、顧客の認識を調査します。

定性調査は、フォーカスグループ、デプスインタビュー、などの手法で行われます。

マーケティングリサーチの8段階のプロセス

1.問題定義・リサーチ目的の明確化

マーケティングリサーチを行う上での最初のステップは、「なぜマーケティングリサーチを行うのか」を明確にすることです。例えば「既存製品の販売地域を拡大し売上を増やす」「新製品の購入者を増やす」といった具体的なゴールを明確にすることで、目的に沿った適切な調査プロセスを設計することができます。

2.仮説策定

リサーチの目的を明確にして仮説を立てることにより、調査の焦点を絞りこみ、質の高い情報を得られます。仮説が立てられていないと、解決したい課題に対する要因は様々な可能性が考えられるため、広く浅い情報を収集することしかできません。

例えば「売り上げ不振の理由を知りたい」という目的だけでは、売り上げ不振の課題として、パッケージデザイン、ネーミング、宣伝内容、販売ルート、といった様々な課題が考えられるため、調査内容に深い設問を設けることができません。

このような点から「売り上げ不振の理由は、販売ルートに問題がある」といった具体的な仮説を立てることでその仮説に沿った調査内容を設計し、課題を解決するための有益な情報を入手することができます。

仮説を構築するポイント

例えば「売り上げ不振の理由は、販売ルートに問題がある」といった仮説の場合にも「販売ルートが課題」であることがわかればいいのか、「問題となっている販売ルートの具体的な箇所」まで把握するべきなのか、あらかじめ「知りたいこと」を明らかにしておくことがポイントです。

3.調査タイプの決定

マーケティングリサーチの目的と仮説を構築したあと、調査タイプを決定します。上記「マーケティングリサーチの主な4つのタイプと特徴」でご紹介した探索的、記述的、因果的、予測的リサーチのなどを選択します。

4.データ収集方法の決定

データ収集とは、関連する全ての情報データを収集して課題解決に対する選択肢を見つけ、仮説をテストし、その結果を評価するプロセスです。調査担当者は収集データの種類、ソース、およびデータ収集方法を決定します。

データソースは一次情報と二次情報がある

データ収集方法は大きく分けて一次情報と二次情報の収集の2つに分類されます。

一次情報とは

一次情報とは「調査目的に沿った方法で独自に収集した情報」のことで、調査担当者が初めて収集した直接的なオリジナルのデータです。

調査対象に関連する情報が存在しない際に、新しいデータの収集が期待できます。調査にはコストと時間がかかりますが、調査対象者から直接情報を収集するため、鮮度が高く価値のある情報になります。

その結果、自社で集めた一次情報は経営者の素早い意思決定につながり、マーケティング戦略において、競合他社との差をつけることができます。より質の高い一次情報を持っている企業の方が、マーケティング戦略をはじめ経営戦略全体を有利に計画し、実行ことができます。

二次情報とは

また二次情報とは、「公開・販売されている既存データ」のことで、他の誰かによってすでに収集され、分析済みのデータのことを指します。直接収集することなく、他のソースから容易に入手することのできる二次的なデータです。

二次情報は競合他社も簡単に入手することができ、情報そのものでマーケティング戦略に大きな差をつけることはできません。

しかし、政府が調査した国の統計データや業界団体が開示している専門性の高いデータなど、企業単体では収集できない情報には価値があり、一次情報と組み合わせることでより価値のあるデータを生み出すことが可能です。

調査担当者は、調査の性質と目的に応じて一次情報・二次情報のバランスを考えながらデータ収集することが求められます。

5.サンプリング計画の決定

データ収集方法決定後には、サンプリング計画を決定する必要があります。

マーケティングリサーチの目的に即した調査を行うためには調査目的・仮説を検証できるサンプリング対象者を集めるのが鉄則です。

そのためには、地域・性別・年齢・職業・世帯/個人・商品に対する状況(認知・購入・使用中止・未使用など)などの条件を考え、対象者を決める必要があります。

6.データ収集

サンプリング計画を決定したら、その計画を実行し、サンプリング対象者から情報を収集します。

事前に把握したい内容を過不足なく調査項目に落とし込み、調査表を作成します。その際回答者が答えやすい構成にすること、思考を妨げない構成にすること、バイアスを避ける構成にすることが重要です。

7.データ分析

データを分解して、その内の特徴的な要素と構造を明らかにするプロセスです。

分析手法には、単純集計やクロス集計などの基本的なものから、複数の変数を統計的に扱う多変量解析まで多岐にわたり、明らかにしたい事柄によって適切な分析手法を選びます。

マーケティングにおける意思決定をサポートするのがマーケティングリサーチの役割となるため、この段階では、正しく結果を伝えることも重要です。

8.結論を導出・意思決定

データを収集・分析するだけでなく、マーケティングリサーチから得られた課題に対する施策や戦略の改善を決定し、実施します。結果に基づいた意思決定をし、実行していくことで初めて会社にとって有効なマーケティングリサーチであるといえます。

一次情報を収集するための手法

上記のとおり、一次情報は調査担当者が独自に集める情報で、競合他社に差をつけることのできる重要な情報です。以下では、一次情報の代表的な調査方法を5つご紹介します。

観察リサーチ

観察リサーチとは、「調査対象の行動・反応や周辺環境を観察することで情報を収集する」方法です。

例えば「現場第一」といった考え方にもあるように、顧客と自社との接点で起きていることや顧客の反応から、課題や問題点を感じ取り気づきを得ることができます。調査対象としては、「顧客」「自社」「競合他社」が挙げられます。

フォーカスグループ

フォーカスグループとは、年齢・性別・生活環境など、共通する条件をもつ調査対象者を集めてグループを作り、色々なテーマについて議論してもらうことにより情報を収集する調査方法です。

リサーチ会社の担当者が、様々なテーマの話題を振る形で司会を行い、欲しい情報を調査対象者から引き出します。フォーカスグループの手法を用いる際には、多くの場合専門の調査会社に依頼します。

行動データ

行動データとは、調査対象者の購買記録や購買行動のデータを基に情報を収集する方法です。

代表的な例としては、コンビニなどのレジで蓄積されるPOS(Point of Sales:販売時点)データの購買記録が挙げられます。

顧客の年齢層・性別登録後に商品バーコードを読み込むことで、いつ、どの商品を、どの商品と一緒に、いくつ、いくらで、どの店舗で購入したかといったデータがPOSデータとして蓄積されます。これらの購買データを集計・分析することで、精度の高いデータを入手できます。

質問リサーチ

質問リサーチとは、文字通り調査対象者に質問をし、その答えを収集することで情報を集めます。

インタビュー、電話、郵送、留置(とめおき)、インターネット調査などの手段があります。

インタビューにはデプスインタビューとグループインタビューがあり、デプスインタビューは1対1で質問を投げかけるのでより深い部分まで回答を掘り下げることができます。グループインタビューの場合は、1対多人数のため、効率よく質問することができます。

実験的リサーチ

実験的リサーチとは、複数のグループを対象に実験を行い、特定の因果関係を発見するために行われます。

例えば「〇〇をすると売上が増える(減る)」「〇〇をするとブランドイメージが向上する(下がる)」といった実験を行うことで、「○○をすると〜〜が起こる」という原因と結果の関係を発見するのが目的です。

例えば一部店舗のみ店舗レイアウトを変更するなどの実験を行い、結果に違いが見られた場合、その変更と結果の因果関係を考えます。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

市場調査とマーケティングリサーチの基本的な違いは、市場調査は市場(顧客、消費者、流通など)に関連する調査なのに対し、

マーケティングリサーチは、市場調査に加えて、広告の効果、営業の効果、消費者の行動といったマーケティングに関連する問題を調査します。つまり、市場調査はマーケティングリサーチの一部であるとも言えます。

他にも、市場調査とマーケティングリサーチにあまり違いはないという意見や、市場調査は市場原理に焦点を当てた調査なのに対し、マーケティングリサーチはより消費者行動や広告効果に焦点を当てている、といった解釈の仕方もあり、議論が別れるとことです。

マーケティングリサーチを遂行する上での注意点

仮説の有無が収集データの精度を左右する

マーケティングリサーチに際し、仮説が立てられていると調査の焦点を絞りこむことができ方向性が定まります。仮説が立てられていないと、課題に対する要因は様々な可能性が考えられるため、広く浅い情報を収集することしかできません。

その場合、課題を解決するための情報の深掘りや大切なポイントを見落とす可能性が高まってしまいます。

例えば「売り上げ不振の理由を知りたい」というだけでは、売り上げ不振の課題として、パッケージデザイン、ネーミング、宣伝内容、販売ルート、といった様々な課題が考えられ、調査内容にはそれら全般に対しての浅い設問を盛り込むことしかできません。

反対に、例えば「売り上げ不振の理由は、販売ルートに問題がある」といった仮説があれば、その仮説に沿った調査内容を設計することができます。

サンプリング対象者を設定するポイント

サンプリングの対象者は具体的に設定することが重要です。

例えば「30代の主婦」といっても、パートをしている人は主婦に含まれるのか、男性で主夫業を主に行なっている人も対象にするのか、子持ちの主婦のみを対象にするのか、など詳細な条件により対象者が異なります。

対象者の設定条件が少し変わるだけで得られるデータの精度が変わるので、できる限り具体的に調査対象者を設定する必要があります。

マーケティングリサーチを代行している会社を紹介

マーケティングリサーチを代行している会社として、LINE、野村総合研究所、マクロミル、GMOリサーチなどが挙げられます。それぞれの特徴や得意業界をご紹介します。

LINE

LINE株式会社は、LINEアプリを通じたリサーチプラットフォームを提供しています。

500万人のアクティブなモニターのうち、10〜29歳が半数以上を占めており、学生や若年層向けの調査が可能です。

LINEアプリを利用したプッシュ通知でリサーチ内容を配信することで、ユーザーがリアルタイムで回答するので、効果的な調査ができます。

野村総合研究所

株式会社野村総合研究所は日本市場で50年以上コンサルティングサービスを提供している会社です。

コンサルティングのノウハウを活用し、目的に応じたオリジナルなリサーチの設計・実施が可能となっています。

消費者・生活者のみならず従業員・株主企業ブランドの成長に必要な様々なデータを収集し、戦略立案ニーズに最適なデータとレポートを提供します。

市場・消費者調査、市場予測・需要予測、顧客満足度・購入者調査、生活者に関する時系列データの提供、ポジショニング調査、ステークホルダー調査によるブランド力の把握、ブランド・エクイティの計算、価格感応度調査、といった多岐にわたる調査に対応しています。

マクロミル

株式会社マクロミルはネットリサーチ国内No.1の実績を持つ会社で、安く、早く、高品質なインターネットリサーチを提供しています。

国内に1000万人、海外90か国に9000万人を超えるパネルを持っています。

インターネットリサーチ以外にも、定性調査をサポートするオフラインリサーチ、海外地域を対象としたグローバルリサーチ、消費者の脳波・心拍・視線の動きなどの生体反応を計測するニューロリサーチといったユニークなリサーチ手法を提供しています。

GMOリサーチ

GMOリサーチ株式会社は、GMOインターネット社のグループ企業で、リサーチクラウドパネルの登録者からのアンケート回答を得られる仕組みを提供しています。

リサーチャー自らプラットフォームを操作し、簡単でリーズナブルに調査をすることができます。

アジア最大級のASIA Cloud Panelを利用し、3488万人を超えるアジアのモニターを対象に調査内容の配信が可能となっています。

質の高いオンラインリサーチを迅速、効率的、そして低コストで実施可能です。

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